Lv53 クリーストの使者として
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人で着替えと変装をさせてほしいというお願いである。
なぜこんなお願いをしたのかというと、装備品を幾つかフォカールで収納しておきたい為だ。
クラウス閣下はその願いを快く了承してくれた。
その後、俺は作業に取り掛かり、再度、クラウス閣下の前へとやってきたのである。
クラウス閣下は暫し俺を眺めると、首をゆっくりと縦に振り、口を開いた。
「ふむ。準備はできたようだな。では参ろうか、クリーストの使者……いや、テリー秘書官よ」
「御意に」
ちなみにだが、この名前は、前回、クラウス閣下に会った時に訊かれたので、言った名前だ。
理由は、前もって秘書官として登録しておきたいから、だそうである。
言っておくが、その場で適当に決めたモノなので、あまり深い意味はない。
ドラクエYのるろうに戦士やワンダーランドとも全く関係ない。関係ないったら、ない! 以上。
執務室を後にした俺とクラウス閣下は、そのまま執政官専用の馬車に乗り、ラヴァナ執政院を後にした。
目的地は第3階層のヴァルハイム。ヴォルケン法院長の屋敷である。
話は変わるが、執政官専用馬車は乗り心地が最高であった。中は広々で、振動も少ない。その上、椅子のクッションはフカフカで、内装は煌びやかであった。
まぁ早い話が、V・I・P CARというやつである。
話を戻そう。
馬車が進み始めて暫くしたところで、クラウス閣下が俺に話しかけてきた。
「テリー秘書官、そなたはここに来るまで、かなり長い距離を旅してきたと思うが、他の地方の様子はどんな感じであった?」
「マール地方とバルドア地方の事しかお答えできませんが、2つの地方ともに、魔物の数が増えて苦しんでおりました。加えて、強い魔物の出現で、命を落とす者も増えているようです」
クラウス閣下は大きく溜息を吐いた。
「フゥ……やはり、何処も同じか。景気の良い話は聞かぬな。ここ最近、頭の痛い事ばかりが続く。この間も、奇妙な報告があった」
「奇妙な報告?」
「うむ。つい3日前だったか……ラヴァナの警備兵長から報告が上がってきたのだが、アーウェン商業区の路地裏にある古びた倉庫で、魔物の死骸が4体見つかったらしいのだ。見つかったのは死骸であったが、今までオヴェリウスに魔物が入り込むなどという事はなかったのでな。これは異常な事態と言わざるを得ない。……漠然とだが、悪い方向に物事が動いておる気がしてならないのだ、私は……」
「アーウェン商業区で魔物の死骸……」
まず間違いなく、俺とラッセルさん達で倒した、あの魔物達の事だろう。
今は余計なことは言わないようにしよう。
俺はとりあえず、当たり障りのない、気休めを言っておいた。
「確かに、事態は日に日に悪くなっているかもしれません。しかし、物事には終わりが必ず
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