Lv53 クリーストの使者として
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からだろう。ここはラヴァナ行政の中心地だし……ン?)
と、そこで、意外な所から、囁くような声が聞こえてきたのである。
「……コータロー……背後に気を付けろ……尾行けられておるぞ……」
声の主はラーのオッサンであった。
オッサンはそれ以上、言葉を発しなかった。
俺は小さく返事をした。
「了解……」
とりあえず、俺はこれまで通り、普通に歩き続けた。
(……この間、ゼーレ洞窟で色々とやらかしてきたから、道中何かあるだろうとは思ったが……。さて、どうするか……このまま執政院に行くのは不味い。とりあえず、煙に撒くしかないか……。どこが良いだろう……ン?)
そんな風に思案しながら歩いていると、前方に十字路が見えてきた。
周囲をチラ見すると、人通りも少しまばらな感じであった。
(人通りも少なくなってきたし、とりあえず、あの十字路を左に曲がるか。ここは背の高い石造りの建物が並ぶ区域だから、色々と方法もある……)
程なくして、十字路に差し掛かった俺は、そこを左折した。
その先は狭い路地が続いていた。人の姿は全くない。
今がチャンスと思った俺は、魔導の手を使い、すぐ近くにある2階建ての建物の屋上へ、一気に上がったのである。
屋上に来た俺は屋根の縁から、そっと下を窺った。
すると、慌てたように周囲を見回す、数人の者達が視界に入ってきたのだ。
数は5人。灰色のローブを着た者が3名と、旅人の服を着た者が2名であった。何れも、普通の格好をした一般人風の者達だ。
そして、暫くすると5人は、見失った俺を探そうと、路地の奥へと移動を始めたのである。
俺はラーのオッサンに小声で確認した。
「……ラーさん。念の為に訊くが、今の奴等は魔物か?」
「ああ」
「そうか……ありがとう。助かったよ。ちなみに、いつから尾行けられていた?」
「……この階層に来てからずっとだ……。ここからは気を付けた方が良い。ヴァロム殿の計画に支障が出るからな」
「わかってるよ」――
俺はその後、若干遠回りではあったが、周囲を警戒しながら進み、ラヴァナの執政院へとやってきた。
そして、この間会ったクラウス閣下の秘書と共に、裏口から執政院の中へと入っていったのである。
執務室へと案内された俺は、そこで、クラウス閣下にこれからの指示を受けた。
まず受けた指示は、秘書と同じ衣服に着替えてもらうという事、それから、顔を隠す為の変装をしてもらうという事だ。
要するに俺は、クラウス閣下の秘書として今から行動するのである。
また、武器等は持ってきてもよいとの事であった。
というわけで、俺は早速それらの指示に従うわけだが、その際、俺は2つお願いをした。
まず1つに、着替えの為に個室を貸してほしいという事、それから、俺1
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