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Dragon Quest外伝 〜虹の彼方へ〜
Lv53 クリーストの使者として
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眺めていると、アヴェル王子が話しかけてきた。
「どうしました、コータローさん? 何かわかったのですか?」
「まぁ……1つだけ」
「なんだ、それは?」
 ウォーレンさんは身を乗り出してきた。
「前に言っていた魚介類の件ですよ。恐らく、漁師組合の誰かが、大量の魚の出所を知っていると思います。何が出てくるかわかりませんが、まずはそこから調べていった方が良いでしょうね」
 するとウォーレンさんは、少しがっかりした表情になった。
「なんだ、魚の件か……。魔物の件について何かわかったのかと思ったぞ」
 誤解しているようなので言っておこう。
「違いますよ、ウォーレンさん。俺が言ってるのはラルゴの谷の話です」
 2人は少し驚いた表情を浮かべた。
「なッ、どういう意味だ?」
「コータローさん、それはどういう……」
「俺も今の時点では、まだハッキリとしないんですが……ただ……イスタドの件とラルゴの谷の一件……もしかすると、無関係ではないかもしれませんよ」
「無関係じゃないだと……」
「俺にはなんとなくそう感じるんです。なので、それを知る為にも、漁師組合に魚の出所を教えてもらう必要があると思いますよ。そこが、この問題を解決する出発点の気がしますから」――


   [U]


 アーシャさんとサナちゃん達を見送った3日後の夕刻。俺は辻馬車で、ヴィザーク地区へと向かってラヴァナ環状通りを進んでいた。
 空に目を向けると、太陽は結構傾いていた。夕日が差し込む時間帯だ。
 城塞に囲まれている事もあってか、日影も多く、空の感じと比べると、最下層のラヴァナはやや薄暗い街並みとなっていた。
 そんなラヴァナの環状通りを暫く進むと、ヴィザーク地区の手前にあるアーウェン商業区交差点に差し掛かる。
 するとそこは、夕食前という事もあり、沢山の買い物客で賑わっていた。
 人々は付近にある露店で楽しそうに買い物をしている。路肩で談笑する冒険者みたいなのや、店の主人と値段交渉をする者、また、支払いをする者、周囲の商品を眺め続ける者等々……様々であった。
(アーウェン商業区は本当に活気があるな……ラヴァナで一番の繁華街というのも頷けるよ)
 それから程なくして、馬車は目的のヴィザーク地区へと到着した。
 馬車はゆっくりと路肩の停留場所へ停まる。
 そこで、御者の威勢の良い声が聞こえてきた。
「着きやしたぜ。15ゴールドになりやす」
「ありがとう」
 俺は15ゴールド払って馬車を降りる。
「まいどあり」
 そして俺は、ローブのフードを深く被り、ラヴァナ執政院に向かって歩を進めたのである。

 ヴィザーク地区のラヴァナ環状通りも結構な人混みであった。
(アーウェン商業区ほどではないけど……思ったより人が多いな。多分、ラヴァナの執政区だ
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