Lv53 クリーストの使者として
[6/11]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
るテーブルに、その板を置いた。
見たところ、どうやら地図のようだ。
「何か、いわくのある地図ですか?」
「違う違う。これはアルカイム地方の北に位置する、サントーラ地方の地図だ。ちょっと、お前の意見を訊いてみたかったんでな」
「意見?」
「ああ」
ウォーレンさんは頷くと、地図に描かれた湖らしき場所を指さした。
「これはウィーグ地方にあるローハル湖と言うんだが、この湖の畔に街が1つある。ここが、この間の話にでていたイスタドだ。で、ここから更に湖を東へ進み、支流となった川をずっと下るとラルゴの谷があるんだが……今、この地で妙な事が起きているそうなんだよ」
(ラルゴの谷……ラルゴとは、神話上でイシュマリアが倒した事になってる、破壊の化身だろうか? まぁいい。後にしよう)
アヴェル王子が話に入ってきた。
「昨日、ヴァリアス将軍からあった話か」
「ええ」
また厄介な話なのかも……。
ヴァロムさんの事があるから、手を貸すことはできないだろうけど、聞くだけ聞いてみるか。
「妙な事とは?」
「実はな……一昨日、サントーラ地方の太守・サムエル様から、ヴァリアス将軍に相談があったそうなんだが、最近、このラルゴの谷に、沢山の魔物が棲みつき始めたらしいんだ。それも見た事がないような魔物がな……。しかも、日に日に増えているそうだ。どう思う? ゼーレ洞窟の件と似てないか?」
俺は地図に目を落とし、暫し考えた。
(見た事もない魔物……ラルゴの谷……そしてイスタド……イスタドは確か、大漁で大賑わいとかいう街だったか……。なんだろう、この気持ちの悪さは……場所が違うから一概には言えないが、一方で嬉しい悲鳴がでていて、もう一方で本当の悲鳴がでている……)
「ウォーレンさん、イスタドって大漁で賑わっている街ですよね。イスタドとラルゴの谷は近いんですか?」
「いや、近くない。地図だと近くに見えるが、その2つは結構離れてるぞ。ラルゴの谷は巡礼地の1つで、サントーラ地方とアルカイム地方を結ぶ主要街道に近いところにある。イスタドは、そこからかなり離れているからな。馬車でも丸2日は掛かるほどの距離だ」
「陸路だと遠いんですね……。ところで、ラルゴの谷って破壊の化身ラルゴと何か関係あるんですか?」
2人は頷く。
アヴェル王子が答えてくれた。
「そこは破壊の化身ラルゴの根城があった場所です。そして、イシュマリアがイシュラナの加護を受けて、ラルゴと対峙した最初の地でもありますね」
「ラルゴの根城だったという場所なのですか……なるほど。そこには、やはり、イシュラナの神殿があるんですかね?」
「ええ、あります。それほど大きくはありませんがね」
イシュラナの巡礼地の1つらしいから、神殿が管理してるのだろう。
色々ときな臭いが、今は他の事を訊いとこ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ