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Dragon Quest外伝 〜虹の彼方へ〜
Lv53 クリーストの使者として
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てきた。
「……そうですか。では、私から1つ提案があります」
「提案?」
「なんだ一体……」
「今、このオヴェリウスは、魔炎公ヴァロム様の異端審問決議の真っ最中です。よって、神殿側もかなりの厳戒態勢を敷いてると思われます。ですから、決議が終わってから調査を開始しませんか。私もお手伝い致しますので」
 2人は腕を組み、暫し考える。
 程なくして、アヴェル王子が口を開いた。
「……確かに、コータローさんの言う通りかもしれない」
「今の神殿関連施設は、イシュマリア魔導連盟の妨害を懸念して、警備にかなり動員かけてます。コータローの言うように、決議が終わるまで待った方が良いかもしれません」
「決まりだな。では、神殿側の調査は決議が終わってから始めよう。コータローさんも、よろしくお願いします」
 どうやら、交渉は成功のようだ。
「微力ながらお手伝いさせて頂きます」
 俺は脳内でホッと胸を撫でおろした。
 この話題は危険だから、もう終わらせよう。

 というわけで、俺は白々しく話題を変えた。
「あ、そうだ。魔炎公ヴァロム様の話が出たついでに、お2人にお訊きしたいんですけど、異端審問決議で刑が執行されることが決まった場合、どういう風な流れになるんですかね?」
 ウォーレンさんが答えてくれた。
「刑の執行の流れか……確か、有力貴族の場合は、ラヴァナのイシュラナ大神殿にある審判の間で、王家や八支族、それから、教皇や大神官に神官長といった有力な神殿関係者の立ち合いの元、異端証明がなされる筈だ。そして、その後に、贖罪の丘で刑が執行されるという流れだった気がするが……」
「なるほど。ちなみに、異端審問決議が出たら、すぐに刑は執行されるのですかね?」
「う〜ん……どうだったかな。その辺は、異端審問官とイシュマリア司法院が決める事だ。早かったり、遅かったりだと思うがな」
「そうですか……」
「ん、どうした? 何か気になる事でもあるのか?」
「いえ。ただ、どういう流れになるのかなって思っただけですよ。深い意味はありません」
「ヴァロム様の件か……フゥ」
 と、ここで、アヴェル王子は溜息を吐き、疲れた表情を見せた。 
「どうされました、王子?」
「……ヴァロム様の一件を見てもそうだが……ここ最近、父の様子がより一層おかしい……。俺が話しかけても上の空といった日々がずっと続いている。以前にも増して酷くなっているような気がするんだよ……」
「王子……よいのですか?」
 ウォーレンさんはそこで俺を見た。
 機密事項なのかもしれない。
 アヴェル王子は頷く。
「構わないよ。コータローさんは信頼できる方だ。それに……この事は既に、民達の噂になっている。それより、どう思う、ウォーレン? 妙だと思わないか?」
「確かに……ここ最近の陛下は、
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