Lv53 クリーストの使者として
[2/11]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
を言ってるのか、わからずじまいだったそうです」
「精霊ストロス!?」
「ん? 知ってるのか、コータロー」
「……いえ、知りません。どこかで聞いた事があったような気がしただけです。よく考えたら、知らない名前でした」
俺はとりあえず、そう答えておいた。
下手に知ってるとでも言おうものなら、質問攻めに遭うのは目に見えているからだ。
(しかし……精霊ストロスねぇ。もしこれがドラクエXに出てきたストロスの杖なら、結構なレアアイテムをゲットしたことになるな。確か、ゲームでの効能は麻痺回復と石化解除だったっけ……とりあえず、ありがたく貰っとこう)
「では、ありがたく頂戴させていただきます」
「遠慮せず、お受け取りください」
続いてアヴェル王子は、もう1つの方をテーブルの上に置き、包まれた布を解いた。
すると中から、あの遺言状が姿を現したのである。
アヴェル王子は、それをテーブルの中央に置き、話を切り出した。
「さて……では本題へと行くとしよう。コータローさん、ウォーレンからもう聞いているとは思いますが、あの洞窟で発見された杖は、雨雲の杖で間違いないだろうとの事です。そこでお聞きしたい。この遺言について……貴方はどう考えているのかを……」
俺は手記に目を落とすと言った。
「……昨日もお話ししましたが、裏付けが取れない限り、あの遺言を鵜呑みしてはいけないというのが、今の私の考えです」
「ではお聞きします。どうやって裏付けを取ればいいと思いますか?」
「この遺言は、バスティアンという神官の体験記となっておりますが、彼は手記の中で7つの疑問を提起しています」
俺はそこで疑問の記述を人差し指でなぞった。
「1つ目は、ジルド神殿管理官は人ではないのか、という疑問。2つ目は、なぜ醜悪な魔物に変化したのか、という疑問。3つ目は、国宝である雨雲の杖をなぜ盗んだのか、という疑問。4つ目は、ディラックのマグナとは一体何か、という疑問。5つ目は、あのアシュレイアと呼ばれていた者は、一体何者なのだろうか、という疑問。6つ目は、アレイスの末裔とは王家の事なのだろうか、という疑問。そして7つ目は……光の女神イシュラナが、居りもしない偽りの女神とはどういう事なのだろうか、という疑問です。裏付けをとるには、これらの疑問を調べるしかないですが……彼の記した疑問は、もう少し簡単に考える事もできるんですよ」
2人は首を傾げる。
「簡単に?」
「……どういうことだ、一体?」
「7つもありますが、この疑問は大きく3つに纏められるんです。まず1つ目……雨雲の杖と、全てを石に変えるというディラックのマグナを使って、魔物達は何をしようとしていたのか、という疑問。2つ目は、アレイスとは王家の事なのか、という疑問。そして3つ目は……イシュラナは魔物達が作り上げた偽り
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ