Lv52 仲間との別れ
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も深く考えずに済んだが……本物という事になると、話が違ってくるんでな……フゥ」
そう言って、ウォーレンさんは疲れたようにソファーに背をもたれた。
「ところで、あの魔物達の事は、将軍に報告されたんですか?」
「ああ、したよ。俺達の報告を聞いて、ヴァリアス将軍も頭を押さえていた。どうしてこう、次から次へと問題が出てくるんだ、と嘆いていたよ」
「確かに……そうなるでしょうね」
「ああ。ン? おっと、そうだった……」
何かを思い出したのか、ウォーレンさんはそこで背を戻した。
「これを言うのを忘れてたよ。ラティ、お前は暫く、俺の屋敷にいてもらうからな。今後、俺が良いと言うまで外に出ることは厳禁だ」
今の言葉を聞き、ラティは目を丸くした。
「ええ、何ででっか!?」
「理由は勿論、あの一件を一部始終見ていたからだよ。おまけに、あの遺言も見ていたし。だからだ。それに、お前なんとなく、口が軽そうだし」
「そんな殺生なぁ。ワイ、口は固いですって。ホンマですって。なぁ、コータローもなんか言ってや」
俺は頭を振った。
「今回は諦めろ、ラティ。それに、こうなった以上、ここにいた方が安全かもよ」
「安全て、どういう……ア!?」
自分の置かれた状況に気づいたようだ。
「お前、今まで気づいてなかったろうけど、結構、危険な事に片足突っ込んでるんだぞ。魔物達にとって色々都合が悪いことを見てきたからな」
「せ、せやった……ワイ、ごっつ危ないやんか……」
「だから、ここはウォーレンさんに従っておくといい」
ラティはしょんぼりと返事した。
「はぁ……そうするわ」
「ところで、ウォーレンさん。ミロン君はどこかに出かけてるんですか? 朝から見ないですが」
「ああ。ミロンには、ちょっと調べ物をお願いしたんでな」
「そうですか」
「ミロンに何か頼み事でもあったのか?」
「はは、まぁそう思いましたが、大したことじゃないんで自分で調べる事にしますよ」
「すまんがそうしてくれ。さて……」
ウォーレンさんはそこで手帳のようなものを取り出すと、何かを確認し始めた。
「コータロー……今晩、夕食が終わって暫くしたら、何か予定があるか?」
「いえ、何もないですよ」
「では今晩、俺の部屋にもう一度来てくれ。恐らくその場に、アヴェル王子も来られると思う。色々とお前の意見を聞きたいそうなんでな。よろしく頼む」
「わかりました」――
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