Lv52 仲間との別れ
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いえ、詳細を語れないので、かなりボカシた話にはなったが……。
(2人には言えなかったけど……恐らく、次に彼女達と再開するのは、かなり意外な形でとなるだろう。ヴァロムさんの計画通りにいけば、だが……)
その後、アーシャさんとサナちゃん達は、ウォーレンさんと屋敷の使用人達に挨拶をし、使者達と共に、第3階層のヴァルハイムへと向かった。
そして、俺とラティは、2人を乗せた馬車が見えなくなるまで、ずっと手を振りながら見送り続けたのである。
馬車が見えなくなったところで、ラティの声が聞こえてきた。
「あ〜あ……2人共、行ってもうたな。なんか、寂しくなるなぁ」
「まぁな。でも仕方ないよ」
と、そこで、ウォーレンさんが俺に話しかけてきた。
「コータロー……話がある。ラティと一緒に、ちょっと俺の部屋まで来てもらえるだろうか」
「わかりました」
「ン、ワイも?」
「ああ。では行こうか」
俺とラティは、ウォーレンさんの後に続いた。
ウォーレンさんの部屋に入ったところで、俺とラティはソファーに座るよう促された。
「そこに掛けてくれ」
「では」
「ほな」
俺達がソファーに腰を下ろしたところで、ウォーレンさんは話を切り出した。
「話というのは他でもない、昨日の件についてだ……」
「そうだろうと思いました。で、何についてでしょう? やはり、遺言の内容についてですか?」
ウォーレンさんはコクリと頷いた。
「ああ……実を言うとな……あの遺言に関しては、まだヴァリアス将軍の耳には入れてはいない。あまりに衝撃的すぎるのでな」
「でしょうね。俺もその方が良いと思います」
「ワイも正直、信じられへんもんなぁ……」
「まぁそれでだな、俺と王子は、あの手記の対応について悩んでいるのだよ。正直、どう手を付けていいのかがわからんのだ。何か妙案はないか」
「妙案と言われましてもねぇ……」
ウォーレンさんが悩むのも無理ないだろう。
なぜなら、あの手記はモロに異端審問案件だからである。存在そのものが危険なのだ。
「あの遺言は今、アヴェル王子が保管しているのですか?」
「ああ、今はな。だが、あれは非常に危険な代物だ。どうしたもんかと思ってな……」
「今はどこかに隠しておいた方が良いでしょうね。ところで、あの杖について、何かわかりましたか?」
ウォーレンさんは溜息混じりに答えた。
「……遺言の通りさ。アヴェル王子が昨夜、宝物の管理記録を調べさせたよ。そしたら、盗まれた雨雲の杖で、まず間違いないだろうとの報告が、今朝がたあったそうだ」
なんとなく、ウォーレンさんは面白くなさそうな感じであった。
多分、間違いであって欲しかったのだろう。
「雨雲の杖であった事が不味いのですか?」
「……あれがただの杖だったならば、俺
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