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Dragon Quest外伝 〜虹の彼方へ〜
Lv51 そして地上へ……
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を見回した。
(視界に入るのは壁際の酒瓶が置かれた棚と大きな木箱や小さい木箱、それとテーブルに椅子、それから遺体の座った椅子と机だけか……後は岩肌の壁と床と天井だけ……ン、そうか!)
「アヴェル王子、謎が解けました。ある物が隠されているのは、そこにある一番大きな木箱の下です」
「え!? 本当ですか、コータローさん……」
「コータロー、それはどういう……」
 わけが分からないのか、皆、口をポカンと開けていた。
「とりあえず、今は大きな木箱をどかして、その下を調べましょう」
「はぁ……」
 というわけで、俺達は一番大きな木箱の下を調べることにした。
 木箱を移動させると、地面に何かを埋めた形跡が微妙にあったので、そこを掘り返してみた。
 するとそこから、イシュマリア王家の紋章が刻まれた、美しい銀色の細長い箱が出てきたのである。
 アヴェル王子は驚きの眼差しで言葉を発した。
「こ、これは、王家の紋章……まさか、この箱は……」
「中を開けてみましょう。先程の遺言の内容が正しければ、恐らく、これは雨雲の杖だと思いますから」
「あ、雨雲の杖……」
 アヴェル王子は生唾を飲み込みながら蓋を開けた。
 その直後、ここにいる者達は皆、感嘆の声を上げたのである。
「こ、これは!?」
「すごい綺麗……」
「ほえ〜、ごっつい綺麗な杖やんか」
 箱の中に納まっていたのは、眩い銀の柄の先端に、純白の雲のようなオブジェが取り付けられた杖であった。
 そのオブジェは見る角度によっては灰色や虹色のようにも見える。その為、見る者を魅了する美しさがあったのだ。
 俺はアヴェル王子に確認した。
「アヴェル王子……遺言の内容が正しければ、これは雨雲の杖だと思いますが、王城の方ではどんな杖であったかという記録とかはあるんですか?」
「ええ、記録されておりますが、この杖がそうなのかは、今は流石にわかりません。これを持ち帰り、王城で調べる必要がありますね……」
 と、ここで、ウォーレンさんが訊いてくる。
「ところでコータロー……どうしてこの木箱の下に隠されているとわかったんだ?」
「その手記には、この部屋の最も暗い場所に隠したと書かれてます。この3つのお願いは一種の謎かけなんですが、逆の発想で考えれば解きやすいんですよ」
「逆の発想?」
「はい。この場所は、今はレミーラの光があるので明るいですが、なければ真っ暗です。つまり、これを隠した時、彼等も俺達と同様、明かりを使用した筈なんです。2つ目の願いで、謎を解く手がかりとして、その事を指摘しています。そう考えるとですね、最も暗い場所とは、最も光が届かない場所と考える事ができるんですよ」
 俺はそこで周囲を見回すと続けた。
「そして……この空洞内で、最も光が届かない場所とは、すなわち、光を遮る物の置
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