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Dragon Quest外伝 〜虹の彼方へ〜
Lv51 そして地上へ……
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 私はとりあえず、一息つく為に、休む場所を探すことにした。
 暫く進むと宿屋が見つかったので、私はそこで今晩は休むことに決めた。
 宿に入ると道具等も売っていたので、私は今後の事を考え、そこで旅人の服や短剣等も購入しておいた。
 その後、宿の2階の部屋をあてがわれた私は、中に入り、すぐに神官服から旅人の服に着替えたのである。
 だがそれから程なくして、階下でざわつく声が聞こえてきたのであった。
 私は部屋の扉を少し開け、耳を澄ました。
 階下から兵士のモノと思われる声が聞こえてきた。
「……宿の主人よ。質問は1つだ。今晩、イシュラナの神官服を着た男がここに来なかったか?」
「はい、先程、2階に上がられましたが……」
「その者は、国宝を盗みだした賊だ。今から捕獲をする。少し騒ぎになるだろうが、我らに従うように」
「は、はい……か、畏まりました」
 間違いなく賊とは私の事だろう。
 恐らく、ジルド神殿管理官が根回ししたに違いない。
 今ここで捕まるわけにはいかないと考えた私は、荷物を脇に抱え、部屋の窓をそっと開けた。
 眼下には隣の家屋の屋根が見えた。隣は平屋の為、何とか飛び移れそうであった。また、見回したところ、そこに兵士の姿はなかった。
 私は覚悟を決め、その屋根に飛び移った。
 続いて私は屋根を飛び降り、地面へと着地したのである。
 平屋とはいえ、結構な衝撃が着地時に来たが、そんな事を考える余裕はない。
 私はすぐにこの場を後にし、ラスティーア大通りの先にあるラヴァナ城塞東門へと向かった。
 そして、その先に続く、月明かりに照らされるアルカイム街道を延々と走り続けたのだ。

 それからの私は、死と隣り合わせの逃避行であった。
 魔物達が私を狙って、容赦なく襲い掛かってくるからである。
 戦闘に向いていない私は、魔物に見つからないよう、隠れながらの移動しかできなかった。
 それでも魔物達からの攻撃は避けられなかった。しかし、傷だらけになりながらも、この2つの荷物だけは奪われないよう守り続けた。
 そんな状態で、なんとかオヴェール湿原まで逃げてきたが、絶体絶命の危機がこの後すぐにやってきたのである。
 この時の私は出血多量の為、意識が朦朧となっていた。その為、普段ならなんでもないような場所で足を取られ、転倒してしまったのだ。
 これが私の体力の限界であった。魔物達はそんな私を見逃すわけもなく、逃げ道を塞ぐかのように、周りを取り囲んだ。
 出血も多く、もう成す術などない状態。もう終わりだ……私がそう考えた次の瞬間、なんと、大きな火球が魔物達に襲い掛かったのである。魔物達は断末魔の悲鳴を上げながら、紅蓮の炎に焼き尽くされる。続いて、幾つもの氷の刃が魔物達に襲いかかった。
 だが……その後の事は覚え
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