Lv50 隠された道標
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ったところである。
「……この埃の量を見る限り、ここはかなりの年月が経過していると思われます。1年や2年ではないでしょう。それこそ、何十年……いや、何百年といった事も考えられます。そして、これだけの埃があるにも関わらず、この通路には足跡というものがどこにもありません。恐らく、相当長い間、ここに立ち入った者はいないのでしょうね」
「コータローさん……貴方はどう思いますか?」と、アヴェル王子。
「誰が作ったモノかはわかりませんが、今言えるのは、ここ数年の間に作られた通路ではないという事です。相当昔に作られたとみて、まず間違いないでしょう。まぁ何れにせよ、行き先は不明ですが、道は見つけることができました。今は進むかどうかだけです」
暫しの沈黙の後、アヴェル王子が口を開いた。
「何が待ち受けているかわかりませんが……今は進みましょう。いや、進むべきです」
その言葉に他の皆も頷く。
そして俺達は、新たに出現した通路へと、恐る恐る、足を踏み入れたのであった。
[W]
無数の埃が舞う、カビ臭くて狭い通路を俺達は慎重に進んで行く。
30mほど進んだところで変化があった。そこからは少し開いた空間となっていたからだ。
それとどうやら、空気の流れの元はこの空間からのようであった。
天井付近の壁から、微風にも似た空気の流れが出来ているのを感じられたからである。
(……あの壁が外と通じているのだろうか? いや、今はとりあえず、前に進んだほうが良いか。道が無いときにそれは考えよう)
そこを更に進むと、また1枚の扉が俺達の行く手を遮っていた。
扉は先程と同じような木製の扉で、取っ手は鍵穴付きであった。勿論、扉に鍵が掛かっていたのは言うまでもない。
というわけで、ここでもまた、俺が持つ魔法の鍵が活躍するのである。
その後、俺達は扉を恐る恐る開き、向こうへと慎重に足を踏み入れた。
扉の向こうは、ホールみたいな空間となっていた。広さは20畳程度。埃も少ない上に、空気も幾分綺麗な感じの所であった。
しかも、妙に生活感が漂うところとなっており、周囲の壁際には棚のようなモノが幾つも並んでいるのである。
棚には酒樽のようなモノやガラスの瓶が沢山陳列されている。床には大小さまざまな木箱が幾つか置かれていた。
また、空間の真ん中には木製のテーブルがあり、そこには木製のカップが1つだけ置かれているのである。
まぁ大体そんな感じの様相であった。
ラッセルさん達の声が聞こえてくる。
「なんだ……ここは……誰か住んでいるのか……」
「それにしては埃っぽいわよ。さっきの通路ほどじゃないけど……」
「ちょ、ちょっと、この棚の酒見てよ……イシュマリア歴1996年て書いてあるわよ!」
今の言葉を聞き、全員が棚の
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