Lv50 隠された道標
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できるかも……。それにあの鍵は道具袋に入ってるから、すぐに取り出せるし。でも、皆にはどう説明すっかな……まぁいいや、適当に誤魔化しておくか)
というわけで、俺は腰に装備した道具袋をあさり、中から魔法の鍵を1つ取り出したのである。
俺は白々しく皆に告げた。
「そういや、コレがあったの忘れてました。この鍵を使って試してみます」
アヴェル王子が首を傾げて訊いてきた。
「へ? なんですか、それ?」
とりあえず、もっともらしい嘘を吐くことにした。
「これは以前立ち寄った街の行商人から買ったんですが、なんでも、色んな扉を開ける事ができるという優れモノの鍵らしいんですよ。一度使うと壊れてしまうみたいですがね。でも、値段が安かったので幾つか買っておいたんです。とはいえ、試すのは初めてですが」
「へぇ……そんな鍵があるんですね」
ミロン君はそう言って鍵をマジマジと見た。興味深々という感じだ。
「とりあえず、コレを試してみますよ」
俺は早速、取っ手に鍵を差し込み、右に回した。
カチッという音が聞こえてくる。
そして俺は、取っ手を右にゆっくりと回したのである。
ガチャリという音と共に扉が少し前に出てくる。
すると次の瞬間、鍵は役目を終えたかのようにパラパラと崩れたのであった。
(よし、成功だ……ありがとう、リジャールさん。助かったよ)
俺はリジャールさんに感謝しながら、そのまま取っ手を引いた。
扉はギィィという、蝶番が擦れる音と共に開かれる。
その直後、カビ臭い空気と共に、暗闇の空間が俺達の前に姿を現したのであった。
アヴェル王子が訊いてくる。
「上手くいきましたね。奥はどんな感じですか?」
「奥は真っ暗ですね。明かりを灯しますんで、ちょっと待ってください」
つーわけで俺は呪文を唱えた。
【レミーラ】
鮮やかに白く輝く光球が、俺の右手から出現し、辺りを照らし出す。それにより、奥の様相も露になった。
どうやら、この扉の向こうは通路となっているようだ。とはいえ、壁面は鍾乳石ではなく普通の岩肌となっている。幅や高さは扉と同じくらいだ。
壁面と天井が四角く切り出されているので、明らかに人の手が加わった洞窟といった感じである。
地面に目を向けると、灰のような鼠色の埃が雪のように沢山積もっていた。
「コータローさん、どんな感じでしょうか?」
「何か見えるか?」
アヴェル王子とウォーレンさんがこちらへとやってくる。
2人は目を細め、覗き込んだ。
「どうやらこの先は通路のようだな」
「これは……魔物達が作った抜け道なのだろうか?」
「さぁどうでしょうね……ただ……」
「ただ?」
俺はそこでしゃがむと、地面に降り積もった埃を人差し指でなぞった。
埃の厚さは2cmほどとい
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