Lv50 隠された道標
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裂はもしかすると、ヴィゴールの破壊行動によって、二次的に起こったものかもしれない。しかし……妙だ。普通、こんな風に真っ直ぐに亀裂はいるだろうか……。壁の鍾乳石自体が横に波打つ表面だから、こんな綺麗に縦に亀裂はいらんと思うが……ン? これは……)
俺はそこで奇妙な事に気が付いた。
なぜなら、亀裂の入った個所を境に、鍾乳石の色が微妙に違っていたからである。
(どういうことだ、一体……よく見ると亀裂の右側部分の色が少しおかしい……じっくり見ないとわからないが、この亀裂から右に2m程だけ微妙に色が違っている……これは自然に出来たものではないな……恐らく、何者かが手を加えたモノだろう。こうやって眺めていても仕方ない。とりあえず、直に触れて確認してみるしかないか。はぁ……何も起きませんように……)
俺は壁に近寄り、恐る恐る亀裂部分に手を触れた。
触れた瞬間、ヒヤッとした冷たさが指先に伝わってくる。
とはいえ、触った感じは普通の鍾乳石という感じであった。
(とりあえず、変化なしだ。触っても大丈夫そうだな)
俺は亀裂部分へと手を伸ばし、その割れた面を指先でなぞってゆく。
すると、亀裂の一部分が剥がれ落ち、ポロリと地面に転がったのである。剥がれ落ちたのは、色の違う箇所の物であった。意外と脆そうな壁である。
俺はそれを手に取り、周囲の鍾乳石と見比べた。
(やはりそうだ……。この破片と周囲の鍾乳石は違うモノだ……)
と、ここで、アヴェル王子が訊いてくる。
「コータローさん……何かわかりましたか?」
俺は色の違う箇所を指さした。
「ココなんですけど、この亀裂を境に色が微妙に違うと思いませんか。じっくり見ないとわからないほどの違いですが……」
「え?」
俺の言葉を聞き、この場にいる全員が壁に目を向けた。
「本当だ……この部分だけ色が違う」
「言われないとわからないくらいだが、コータローの言う通り、この部分だけ、微妙に色が違うな……」
そう言って、アヴェル王子とウォーレンさんはマジマジと壁を凝視した。
他の皆も同様であった。
「本当だわ……」
「あ、ホンマや」
「コータローさんの言う通りね……色が違うわ」
「本当ですね……確かに色が違う。コータローさん、これは一体……」
「パッと見だと見分けがつかないくらいですが、これは自然に出来たものではないと思います。恐らく、何者かが手を加えたのでしょう……」
「という事は……魔物達が?」と、アヴェル王子。
俺は頭を振る。
「それは流石にわかりません。ですが……なんとなく、魔物ではないような気がします」
「じゃあ、なんなんだ一体?」
ボルズはそう言って、首を傾げた。
「さあね……だが、これは多分、何かを隠しているんだと思う。これを施したのが、魔物か人かはわ
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