Lv50 隠された道標
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達は、先程のやりとりを一通り皆に説明し、洞窟の奥へと移動を開始した。
ちなみにだが、本調子ではないバルジさんはボルズが背負うという形になった。
その時、ボルズが勢いよく「兄貴は俺が背負うから心配すんなよ」と告げた為、バルジさんは少し驚いていたが、まぁとりあえず、ボルズの中で兄に対する見方が変わったのだろう。ヴィゴールではないが、美しき兄弟愛というやつである。
それはさておき、俺達は周囲を警戒しながら、ゆっくりと前に進んで行く。
洞窟内はラティの報告通り、魔物の気配というのは皆無であった為、それに対する懸念はなかったが、閉じ込められているという閉塞感がある所為もあってか、全員が暗い表情であった。
まぁこればかりは仕方がない。今は一縷の望みをかけて行軍しているに等しいからである。
だがとはいうものの、進むにつれ、はっきりと空気の流れが感じられるようになってきてはいるので、心なしか、皆の表情は少し和らいでいる風であった。
(今はとりあえず、この流れの元に向かうしかないだろう。もしかすると新しい道が見つかるかもしれない……ン?)
と、そこで、ラティが耳元で囁いてきた。
「なぁコータロー……さっきは空気の流れの話で希望が湧いてたさかい、ワイは言わんかったけど……この奥に出口なんてないと思うで。ワイは隈なく調べたんやから」
「かもな……でも、何か別の方法が見つかるかもしれない。とりあえず、行ってみなきゃわからんよ」
「でも……何も見つからんかったら、どうするんや?」
「ま、それはその時に考えるしかないだろ。ン?」
俺達がそんなやり取りをする中、先頭を進むアヴェル王子が立ち止まった。
そして、俺に視線を向け、とある壁面を指さしたのである。
「コータローさん……流れの元に着きました。ココです」
俺はアヴェル王子の所へ行き、その指先を追った。
するとそこは、これまでと同様、鍾乳石が一面に広がる壁面であった。が、一つだけ周囲の壁と違うところがあったのである。
なぜならそこには、奇妙な一筋の亀裂があったからだ。
奇妙なと表現したのには理由がある。それは、稲妻が走ったかのような歪な亀裂ではなく、縦に真っ直ぐスジを引いたような亀裂だったからだ。
亀裂は長さ3mくらいで、幅は広いところで4cmくらいであった。まぁまぁの大きさの亀裂である。
アヴェル王子はそこで、亀裂に手をかざした。
「間違いなく、この亀裂が流れの元です。残念ですが……この程度の亀裂では外に出れそうにはありませんね」
「そのようですね……ですが、ちょっと待ってもらえますか。少し気になる事がありますんで」
「気になる事? なんだ一体?」と、ウォーレンさん。
「ちょっと調べさせてください」
俺は亀裂の前に行き、その近辺を見回した。
(この亀
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