Lv50 隠された道標
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聞こえてきた。
「コータローさん、ちょっとこれを見てもらえますか?」
声を発したのはミロン君だった。
ちなみに、ミロン君は地面に這いつくばって、何かを眺めているところだ。
つーわけで、とりあえず、俺はミロン君の所へと向かった。
他の2人もミロン君の所にやってくる。
「ミロン君、何か見つけたの?」
「ミロン、何か見つけたのか?」
「はい。これなんですけど……一体、何なのでしょうか?」
ミロン君は四つん這いで、地面にある黒い物体を指さした。
そこには、砕けた黒い破片のような物が散らばっていた。
砕けている為、歪な形になっているが、所々面取りされ、艶のある部分も確認できる。
面取りされた部分は、球のように滑らかにカーブしていた。
この破片の感じから察するに、砕ける前は球状の何かだったのだろう。
俺はそこで壁面の黒い物体に目を向けた。
(この砕けた物体は、もしや……)
目の前の砕けた黒い物体と壁面の黒い物体は、どうやら同じ物のようであった。
「なんだ、この黒い破片は……どことなく、砕けたような感じだが……」
「見たところ、丸い何かが割れたような感じだな……なんだこれは」
アヴェル王子とウォーレンさんは、怪訝な表情で首を傾げていた。まぁこの反応は当然だろう。
と、そこで、ミロン君は割れた小さな破片を人差し指と親指で摘み、それを不思議そうに眺めたのである。
「こんなの……初めて見ます。何なのでしょうか……コータローさんはどう思いますか?」
ミロン君はそう言って、破片を俺に差し出した。
俺はその黒い破片を掌にのせ、暫し眺めた。
(……まさか……この破片が意味するモノとは……)
と、その時であった。
パタパタという羽音と共に、聞きなれた声が洞窟の奥から聞こえてきたのである。
【お〜い、そこにいるのは誰や? コータローか?】
ようやく帰ってきたようだ。
俺は道具入れに黒い破片を幾つか仕舞い、奥へと視線を向けた。
すると、ラティの元気な姿が視界に入ってきた。どうやら、無事なようだ。
「やっと帰って来たか。待ってたぞ、ラティ」
「まいど〜。ただいま到着や」
ラティはそう言ってニカッと笑った。
相変わらず、人懐っこい笑顔である。
「えらい時間かかったな、ラティ。どこかでサボってたんじゃないだろうな」
「まぁそう言わんといてや、コータロー。この奥、結構、長くて歪んでるさかい、ワイも苦労したんやって。あッ! そんな事より、あのヤバい魔物はどうなったんやッ! あのヴィゴールとかいうごっついのッ!」
「何とか倒したよ。かなり苦労したけどな」
ラティは目を大きく見開いた。
「ホンマかいな! すごいやんかッ! よう倒せたな、あんなのッ!」
「コータローさんが奴の
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