Lv50 隠された道標
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ているにもかかわらず、何も起きないところを見ると、今すぐ俺達に手出しは出来ないのかもしれませんね……」
アヴェル王子はそう言って、洞窟内をチラリと見回した。
「言われてみると、確かに何の変化もないな……とはいえ、これから先、どうなるかはわからないが……」
「ええ。ですから、楽観はしないでおきましょう。この先、時間が経過すればどうなるかはわかりません。魔物達も手出しせずに静観しているとは考えにくいですからね。それに……あのアシュレイアとかいう魔物が、ヴィゴールを倒した俺達の事をこのままにしておくなんてことは考えにくいですし」
「コータロー……単刀直入に聞く。今回の件の黒幕は、このアシュレイアとかいう魔物だと思うか?」
俺はゆっくりと首を縦に振った。
「恐らくは……。ですが、このアシュレイアが親玉と決めるのは早計かもしれません。他にも同じような存在がいるとも限りませんので」
「他にも、か……確かにな……」
ウォーレンさんは険しい表情で溜息を吐いた。
アヴェル王子も肩を落とす。
まぁこうなるのは無理ないだろう。
(ちょっと現実的な話をし過ぎたか……でも、現実逃避したところで、何も解決せんからなぁ。2人には、この深刻な状況を受け止めてもらわないと。それに……ヴィゴールが正体を現した時に言っていた内容も気になる。奴はあの時、こんなことを言っていた……『我が名はヴィゴール。アヴェラスコウの片腕たる我が力を見せてやろうぞ』と……。このアヴェラスコウとやらが、アシュレイアの事なのかはわからないが、何れにせよ、奴が仕えている主とみて良さそうだ。そして、もしかすると……このアヴェラスコウとやらよりも、更に強大な力を持つ存在がいるのかもしれない。あぁ……やだなぁもう……勘弁してよ。打倒、大魔王! なんていう冒険ファンタジーは、ゲームで十分だよ。リアルでは遠慮したいわ……)
俺が脳内でナーバスになっていると、ミロン君が訊いてきた。
「あの、コータローさん……さっき、アシュレイアという魔物が見ていると仰いましたが、どうやって見ているんでしょうか? この洞窟にはそれらしきモノが何も見当たらないのですが……」
「どういう手段で見ているのかは、流石に俺もわからないよ。でも、俺達の少し後ろの方から、あの声が聞こえてきたから、その辺りに秘密があるかもしれないな……ついでだし、ちょっと調べてみるか」
俺はそこで重い腰を上げた。
続いてアヴェル王子も立ち上がる。
「コータローさん、俺も行きますよ。ウォーレン、我々も調べてみよう」
「ええ」
ウォーレンさんとミロン君も立ち上がる。
と、ここで、ラッセルさんの声が聞こえてきた。
「ン? もう出発しますか?」
「いや、まだです。この先をちょっと調べてくるだけですから、皆はまだ休んでいてくださ
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