Lv49 悪鬼の最期( i )
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ヴィゴールは今、ボルズとラッセルさん、そしてアヴェル王子と戦っている最中であった。
ボルズとラッセルさんの攻撃に続き、アヴェル王子の火炎斬りがヴィゴールに見舞われる。
「デヤァ」
「ハッ」
「この野郎!」
【うるさい蛆虫共だ。クククッ、しかし、無駄な事よ。我に貴様等程度の攻撃など、通じんわッ。フンッ!】
ヴィゴールの棍棒が3人に襲い掛かる。が、3人は攻撃を受けた後もすぐに起き上がり、攻撃を再開した。
スカラとピオリムによって強化された彼等は、動きに関してはヴィゴールと互角といえた。
特に驚かされたのが、ボルズであった。動きや太刀筋には迷いといったものが感じられないのである。
これを見る限りだと、兄であるバルジさんと同様、ボルズも戦士としての素質があったに違いない。
(ボルズも良く頑張っている。だが……ヴィゴールがニヤニヤ笑いながら攻撃を受けているところを見ると、全く効いてなさそうだ。あの様子だと、3人の攻撃はハエがたかっている程度にしか思ってないのだろう。恐ろしい化け物だぜ。まぁそれはともかく、今は一刻も早く、3人に話をしなければ……)
俺はヴィゴールの間合いの外で立ち止まり、3人に呼びかけた。
「アヴェル王子にラッセルさんッ、それからボルズッ! こちらに来てもらえますか?」
程なくして、3人は攻撃を止め、俺の所へとやって来た。
3人は傷だらけではあったが、まだまだ戦える状態であった。
(前衛は既に3人が戦線離脱している。この3人が元気なうちに、奴の弱点を突かないと……)
と、そこで、ヴィゴールの笑い声が木霊する。
【クハハハハッ、なんだ、もう攻撃は終わりか。それとも、下らない悪巧みでもはじめるのかな。無駄な事よ。お前達には死以外ない、ククククッ】
(この余裕はもしや……これはチャンスかもしれない。ぶっつけ本番になるが、実行あるのみだ)
俺は3人に小声で話しかけた。
「大事な話があります。奴と対峙しながら、今は驚かずに俺の話を聞いて下さい」
「わかった」と、アヴェル王子。
これを合図に、3人は俺に背を向け、ヴィゴールに剣を構えた。
「言ってくれ、コータローさん」と、アヴェル王子。
俺は奴に気付かれないよう、口元に手を当てて言葉を紡いだ。
「……奴の弱点が分かりました。もしかすると、奴を倒せるかもしれません」
小さな声ではあったが、3人の驚く声が聞こえてくる。
「え!?」
「そ、それは本当ですか?」
「何!?」
「本当です。ですが、問題もあります」
ラッセルさんが訊いてくる。
「問題というのは?」
「そこへの攻撃は、俺以外、出来そうにないという事です。そこで3人にお願いがあります。暫くの間、3人で奴の気を引いていてもらいたいのです」
アヴ
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