Lv49 悪鬼の最期( i )
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苦しいのはあまり好きではないのでね」
「しかし……」
ラッセルさんは尚も、微妙な表情をしていた。
やはり、王族となると中々割り切れないものもあるのだろう。
つーわけで、割り切れる俺が話に入る事にした。
「ラッセルさん、アヴェル王子はこう言ってくれてるんです。今まで通りで行きましょう。それに、そんな小さい事をイチイチ気にする方ではないですよ。器の大きい方ですから。ねぇ、アヴェル王子?」
「コータローさん、褒めたところで何も出てきませんよ。ところで、これからどうしましょうか? 洞窟を塞いだ瓦礫は1日や2日では撤去するのは難しい量です。おまけに、この先は行き止まりだと先程の魔物は言ってました。となると、我々は閉じ込められたという事になりますが……」
アヴェル王子はそう言って、奥へと続く空洞に目を向けた。
「ええ、それなんですが……実はですね、この戦闘が始まる前、ラティにこの奥の調査をお願いしたんですよ。その内、ラティも戻ってくると思いますので、暫しの間、休憩をしておきましょう。あれだけの魔物と戦ったんですから、休む事も必要ですよ。それに、今はバルジさんをあまり動かさない方が良さそうですしね」
「わかりました。では、ここはコータローさんの言うとおりにしましょう」
アヴェル王子は皆に告げた。
「それじゃあ、皆、ラティが戻るまでの間、暫く休憩としよう。各々は今の内に身体を休めておいてくれ」
つーわけで休憩タイムである。
[V]
アヴェル王子の休憩宣言の後、俺はその辺にある凸凹とした鍾乳石の1つに腰かけ、大きく息を吐いた。
(はぁ……今回はマジで疲れた……魔力が底つくまで戦ったのは初めてやわ……。砕けても構わんから、もう一度、祈りの指輪を使っとこ……)
俺は祈るように手を組み、指輪に付いている青い宝石に触れ、魔力を僅かに籠めた。
と、その直後、俺の身体の中に優しい魔力が入り込んできた。
どういう原理でこうなるのか分からないが、一応、これが指輪の効果である。
(この感じだと……回復したのは4分の1ってところか。指輪も砕けてないから、今はこのくらいにしておこう。この指輪は貴重だしな……)
ふとそんな事を考えていると、ラッセルさん達が俺の傍にやって来た。
「コータローさん……貴方は凄い方です。あんな魔物を前にしても、冷静なのですね。正直驚きました」と、ラッセルさん。
「まぁ俺も死にたくないですからね。その為にも、物事はよく見ておかないと。判断を誤るとエライことになりますから」
続いてマチルダさんも。
「でもコータローさん、よくあんな事を思いついたわね。感心するわ」
「そんなに凄かったの? 私、気を失っていたから、あの後の事、全然覚えてない……」と、リタさん。
シーマさんが答える
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