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Dragon Quest外伝 〜虹の彼方へ〜
Lv49 悪鬼の最期( i )
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中に振るった。
 その刹那!
【ウグァァァ!】
 奴の苦悶の声と共に、背中に50cm程の切り口がパックリと開いたのである。
(よし、成功だ)
 だがこれで終わりじゃない。
 ここからが本番なのである。
 俺はその切り口に向かい、左腕を突き入れ、奴の体内へと潜り込ませる。
 そして、奴に致命の打撃を与える呪文を唱えたのであった。
 だがその直後……。
【おのれェェ、そこで何をしているゥゥゥ】
 ヴィゴールの左肘が俺に襲い掛かったのである。
 俺はその肘に吹っ飛ばされ、洞窟の壁に激突した。
「グハッ!」
 それはかなりの衝撃であった。が、死ぬほどではなかった。
 俺の正確な位置まではわからなかったので、完全にヒットしなかったのだろう。
 不幸中の幸いというやつだ。
 ヴィゴールの怒声が洞窟内に響き渡る。
【おのれぇ、貴様だったかッ! コソコソと小癪な!】
 だが次の瞬間――

 ―― ドゴォォォン ――

【ウギャァァァァァァァァ!】
 こもったような破裂音と共に、ヴィゴールの身体は派手に弾けたのである。
 奴の肉片と黒い血が辺りに飛び散る。それは凄惨な光景であった。
 程なくして、ズタズタに引き裂かれたヴィゴールの身体は、ゆっくりと崩れ落ちる。
 そして、ヴィゴールは吐血しながら、怒りに満ちた赤い目を俺に向けたのであった。
【ガハァッ! き、貴様……わ、我の身体に……い、一体、何をしたァァァァ!】
 俺はネタをバラす事にした。
「ヴィゴール……お前は凄いよ。物理攻撃にしろ、魔法攻撃にしろ、外部からの攻撃は殆ど効果がない。正攻法で戦ったら、今の俺達では絶対に勝てない魔物だ。だが、そんなお前にも弱点はあった」
【じゃ、弱点だとォ……グハッ】
「お前の弱点……それは、その強靭な皮膚の下にある。だから……俺はそこを破壊する事にしたのさ、イオラでな」
【皮膚の下だと……ま、まさか……その前に使った3つの攻撃魔法は……カハッ】
「ああ、それを確かめる為だ。案の定、お前は、深い傷がない右半身で魔法を受けたからな。お蔭で、俺も自信をもてたよ」
【グッ……しかし、イオラ程度の魔法に、ここまでの威力がある筈は……】
「そう、確かに……空中で爆発させたならここまでの威力はない。だが、お前の体内で爆発させたという事は、イオラの持つ破壊力を、お前自身が全て受け止めたという事。その威力は空中爆発の比ではない。それに加え、無数の傷がついた外皮が、内部からの圧力に耐え切れずに引き裂かれ事も、そうなった理由の1つだ。つまり、今までの積もり積もった小さな傷によって、お前は致命的な傷を負う事になったのさ。どんなに強度のあるモノでも、僅かな傷によって、一気に瓦解する場合があるって事だ」
【グッ、お、おのれェ】
 俺はそこで、
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