Lv49 悪鬼の最期( i )
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ェル王子はチラッと俺を見る。
「それは分かりましたが、一体何をするつもりなのですか?」
「説明している時間がないので、今は俺の言うとおりにしてください。幾ら弱点が分かったとはいえ、戦いが長引けば長引くほど、こちらが圧倒的に不利になりますから」
「……わかりました。何をするつもりなのか知りませんが、このままではどの道、我々は皆殺しになるだけです。コータローさんの言うとおりにしましょう」
と、ここで、ヴィゴールの声が聞こえてきた。
【クククッ、この期に及んで逃げる相談でもしてるのかな。クククッ】
ヴィゴールはゆっくりと前進する。
間合いを保つ為、俺達は奴に合わせてジリジリと後退した。
そんな感じで、奴の出方を窺いつつ、俺は話を続けた。
「アヴェル王子……デインの魔法剣は、あと何回くらい使えますか?」
「それが実は、俺の魔力も残り少ないので、使えても、あと1、2回といったところです」
「そうですか。では、俺が指示するまで温存しておいて下さい」
「え? それはどういう……」
「言葉のとおりです」
と、ここで、ボルズが話に入ってきた。
「コータローさん……奴を倒せると言ったが、本当なのか? 奴を倒せるのなら、俺は何だってするぞ」
俺はボルズを焚きつけておく事にした。
「ああ、本当だ。それからボルズ……お前にも話しておく事がある」
「何だ一体?」
「バルジさんは……ついさっき息を引き取ったよ。俺も何とかして助けようと回復魔法を唱えたが、無理だった。……すまん」
「あ、兄貴……クソッ」
ボルズはワナワナと身体を震わせていた。
後ろ姿なので顔は見えないが、恐らく、怒りに打ち震えた表情をしているに違いない。
「いいか、ボルズ……これはバルジさんの敵を討ちでもあるんだ。奴を倒すぞ」
「ああ、やってやるよ。やってやるとも! 奴をぶっ殺す為なら、何だってしてやるッ!」
どうやら、洗脳は成功したようだ。
狂戦士ボルズの誕生である。
「ではコータローさん、我々はもう行動を開始しますね」と、アヴェル王子。
「はい、ではお願……あ、そうだ。ついでなので、頃合いを見計らって、光の剣での目晦ましもお願いできますか」
「目晦ましですね。わかりました」
「では健闘を祈ります」
そして、俺達は行動を開始したのである。
前衛の3人は奴の気を引く為に攻撃を再開した。
「セイヤッ!」
「ハッ!」
「ウォリャァァァ!」
【グフフフ……蛆虫共の攻撃なんぞ、防御するまでもないわ! フン】
ヴィゴールは意にかえした素振りも無く、平然と棍棒を振り回した。
3人は棍棒に吹っ飛ばされる。が、すぐに後衛の回復魔法が彼等に降り注いだ。
そして彼等は即座に立ち上がり、ヴィゴールに攻撃を再開するのである。
こんな
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