Lv48 死闘の行方
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ラで守備力強化してるとはいえ、無事なわけがない……)
俺はそこで周囲の様子を確認した。
(皆、かなり弱った表情をしている……もう、体力的にもかなりキツイに違いない。加えて、奴の打たれ強さと強力な攻撃に、精神的にも参っているのだろう。片や、ヴィゴールは脇腹をやられたとはいえ、まだまだ戦える感じだ。今のアヴェル王子の一撃でそれなりのダメージは負っただろうが、あの傷口を見る限り、まだまだ火力が足らない。……クッ、何か良い手はないか……)
俺は必死になって思考を巡らせた。
だが何も策は思い浮かばない。
浮かぶのは『全滅』の2文字であった。
と、ここで、ヴィゴールの嘲笑う声が聞こえてきた。
【ククククッ、アヴェル王子……今のデインを使った魔法剣……中々の威力だったぞ。流石、アレイスの末裔といったところか……だが、それでも我を倒す事はできん。あの程度の攻撃、何百回と受けたところで問題ないわ。死ぬのが少し伸びただけの事よ。クククッ、さて、では戦いを再開するとしようか】
ヴィゴールはニタニタと笑いながら、疲れの見え始めた前衛を棍棒で薙ぎ払った。
離れた所にいるボルズ以外の前衛5名は、苦悶の声と共に勢いよく壁に叩きつけられる。
「グアァァ」
「ゴフッ」
「キャァァ」
「ウワァァ」
「オエッ」
今の攻撃を受け、起き上がってきたのは3人だけであった。
それも剣を杖代わりにしながら、ヨロヨロとである。
リタさんとコッズという人は微動だにしなかった。
一応、呼吸はしているので、気を失っているだけだと思うが、あの様子だともう戦えないだろう。
(今のはモロだ。回復魔法を受けていたアヴェル王子とバルジさんとラッセルさんはまだ戦えそうだが、他の2人は気を失っている状態……不味い、不味いぞ、これは……)
と、その時であった。
【ヒィィィ! も、もう嫌だッ! こ、こんな所で死にたくねぇよ!】
なんとボルズが、涙目になって、奥へと逃げだしたのである。
ヴィゴールはボルズに視線を向けた。
【この期に及んで逃げるとはな。見苦しいモノを見た。まずは貴様から始末してやろう】
ヴィゴールはその辺の瓦礫を拾い、ボルズに投げつけた。
「グァ」
ボルズは足に瓦礫が当たって転倒する。
そしてヴィゴールは悠々とした足取りで、ボルズへと詰め寄ったのである。
ボルズは背後を振り返り、慌てて後ずさった。
「はわわわ、く、くく、来るなァァァ」
だが、悲しいかな、ボルズはもう行き場のない状況となっていた。
なぜなら、ボルズの背後は洞窟の壁だったからだ。
そう……もう後がない状況なのである。
【見苦しい蛆虫よ……貴様を見ていると、虫唾が走る。まだ、我に抗おうとするだけ、こ奴等の方が好感が持てるわッ。目障りだ! 死
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