Lv48 死闘の行方
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くか。2人には回復役に回ってもらおう)
俺は彼女達に近寄り、今持っている回復アイテムを手渡した。
「シーマさんにマチルダさん、貴方達は動きが素早いですから、この祝福の杖と薬草を使って皆の回復をお願いします」
「わかったわ」
「任せて、コータローさん」
と、ここで、アヴェル王子の大きな声が洞窟内に木霊した。
「前衛は奴の攻撃に備えよッ! 後衛にいる魔法を扱える者は、まず、前衛の守備力強化と素早さの強化を施してくれ!」
それを合図に後衛の魔法使いは前衛のステータス強化を始めた。
【スカラ】
【ピオリム】
俺もそれに続く。
魔力を分散させ、俺はまず、ラッセルさんとリタさんにスカラを唱えた。
それから、俺とボルズ、シーマさんとマチルダさんといった順で、守備力の強化を施したのである。
全員に補助魔法が行き渡ったところで、アヴェル王子は前衛の者達に指示を始めた。
「……いいか、皆。奴は左目と左手を負傷している。つまり、俺達から見て右側が奴の死角だ。そこから攻めるぞ」
前衛4名は無言で頷いた。が、ボルズは怯えた表情でシュンとしながら、ただ突っ立っているだけだったのである。
(あんの馬鹿……何考えてんだ。死ぬぞ。……仕方ない、少し焚き付けておくか)
俺はボルズの背後から耳打ちをした。
「おい、アンタ、戦う気があんのか? こんな時にボケッと突っ立ってたら、即行で死ぬぞ」
「あ、あたりめぇよ。た、たたた、戦うにきまってんだろ。なな、何を言ってんだよ」
明らかに虚勢を張ってる感じだ。
「なら、ちゃんと相手を見据えろよ。これだけデカい図体してんだから、アンタも結構強い筈だ。オドオドしてないで、覚悟を決めろ。どの道、この戦いに負けたら、俺達は終わりなんだ。あの化け物に意地を見せてやれ」
「んな事わかってるよ。やや、やってやるよ!」
ボルズは少しいきり立った。
(少々不安ではあるが、こんなのでも今は貴重な前衛戦力だから、こうして発破をかけておかないとな……)
と、ここで、アヴェル王子の声が聞こえてきた。
「まず俺が奴に魔法攻撃を加える。それが戦いの合図だ。行くぞ、皆」
全員が意を決した表情で、その言葉に頷く。
そしてアヴェル王子は、ヴィゴールに右手を突きだし、呪文を唱えたのであった。
【デイン!】
その刹那、アヴェル王子の右手から青白い稲妻の迸りが放たれ、ヴィゴールに襲い掛かった。
ヴィゴールの苦悶の声が聞こえてくる。
【ウグゥゥゥ! こ、この魔法は!? き、貴様、この国の王族かッ!】
アヴェル王子はそこで付け髭とヅラを取り、正体を晒した。
「ああ、そうとも! 我が名はアヴェル・ラインヴェルス・アレイス・オウン・イシュマリア! この国をお前達の思い通りにはさせんぞッ!」
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