Lv48 死闘の行方
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口を塞いでしまったのだ。
(やはり、そうかッ。クソッ……奴の狙いは地上との接点を絶つ事だったのか……これじゃ、外の者達が、こちらに来れない。ヤ、ヤバいぞ……)
と、ここで、ヴィゴールの愉快そうな声が響き渡った。
【ククク、悪いな。お前達の策を利用させてもらったぞ。さて、これで援軍も、退路もなくなった。貴様等の奥に道は続いているが、その先は行き止まりよ。つまり……お前達はもう死への道しかないという事だ。クククッ、どうだ? 希望の道を閉ざされた気分は?】
俺は思わず、後ろを振り返った。
(この先は行き止まりかよ……さ、最悪じゃないか……。でも……この奥からわずかだが、空気の流れを感じる。どういう事だ……。この状況で、奴も嘘を言うとは思えないが……って、今はそんな事を考えてる場合じゃない)
他の皆も流石にヤバいと感じたのか、全員、青褪めた表情をしていた。
無理もない。奴の言ってる事が事実ならば、俺達の選択肢はないからである。
【いいぞ、その表情。ククククッ、その恐怖と絶望に満ちた表情が、何よりも心地よい。これから貴様等に更なる絶望を与えてやろう。我にここまでの傷をつけたのだ。その償いはしてもらうぞ。ジワリジワリと、なぶり殺しにしてくれるわッ!】
ヴィゴールは馬鹿でかい棍棒を片手に、巨体を前進させた。
奴が歩く度に、ドスンドスンという重い足音が洞窟内に響く。
そして、俺達は奴の迫力に気圧されて、ジリジリと後退したのである。
【どこまで下がるのかな……クククッ。まぁいい、下がりたいだけ下がるがいい。どの道、お前達には絶望しかないのだからな。クハハハハ】
もう完全に勝った気でいるようだ。が、とはいえ、奴に勝てる要素が見つからない。
(どうやら、『相手が勝ち誇った時、そいつは既に敗北している』という、ジ○ジョの名言みたいにはいかないようだ……現実は甘くない。はぁ、どうしよ……ン?)
と、ここで、アヴェル王子とウォーレンさんが俺の隣にやって来た。
「コータローさん……勝算はありますか?」とアヴェル王子。
俺は頭を振った。
「残念ながら、今のところは……」
2人は溜息を吐いた。
「だろうな……この化け物相手に、この面子じゃ厳しい……」
ウォーレンさんはそう言って、ここにいる者達に目を向けた。
今ここにいるのは、アヴェル王子、ウォーレンさん、ミロン君、それからラッセルさん達4人とバルジさんのパーティ5人、それに加えて俺とラティとボルズを含めた、計15名の者達だ。
地上にいた時は300名近い戦力だったので、それを考えると、今はその1割にも満たない状況である。奴の強靭さを考えると、かなり厳しいと言わざるを得ないだろう。溜め息しか出てこない展開である。
アヴェル王子は話を続ける。
「そうですか。……では、
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