Lv47 魔王クラスの魔物
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残念そうな表情をした。
今のところ効果的な攻撃方法はアレだけだし、こういう反応をするのは無理ないだろう。
「そうなりますね……でも、まだ試してない事がありますから、それを試してみるのも良いかもしれません」
「試してない事? それは一体……」
俺はとりあえず、ラーのオッサンの受け売りを話しておいた。
「デインですよ。アレならば、奴に効果があるかもしれません。デインに耐性を持つ魔物はあまりいないと聞いた事がありますから」
アヴェル王子は渋った表情をする。
「デインですか……しかしですね。私は今、こういう姿でして……」
「まぁ言わんとする事は分かりますが、一応、考えておいて下さい」
「……わかりました。状況を見て、その辺は判断します」
と、その時である。
【グアァァァ! どこまでも腸はらわたが煮えくり返る奴等よ! ブチ殺してくれるわッ!】
ヴィゴールが力任せに棍棒を振り回すのを再開したのだ。
その勢いは凄く、奴の周囲にある木々はバキバキへし折られていた。
先程と同様、魔導騎士達は迂闊に近づけない程であった。
もはや、形振り構ってられないといった感じだ。が、そこで、予想外の事が起きたのである。
【そこかッ! まずは貴様から始末してやるッ! 息の根を止めてやるゥゥゥ】
「や、やばッ」
不味い事に、奴は俺を見つけてしまったのだ。
そして、その直後、奴は信じられないような跳躍を見せたのである。
なんと奴は、魔導騎士達を飛び越え、俺達の方へと大きくジャンプしたのだ。
ドスン! という大きな衝撃音をたて、ヴィゴールは俺達のすぐ近くに着地した。その距離、20mといったところであった。
そして着地するや否や、重戦車の如く、棍棒を振り回して木を薙ぎ倒しながら、コッチに向かって突進してきたのである。
それはもう、物凄いスピードであった。しかも馬鹿デカいので、そのインパクトたるや、とんでもない迫力であった。
三崎光太郎、大ピンチである。
「せ、戦略的撤退!」
俺は後方にダッシュした。
「チッ、コッチに来た! クソッ!」
ついでにアヴェル王子も。
【まてぇ! この蛆虫がァァァ。原型留めぬくらいに、その身体を擦り潰してくれるわ!】
奴の狂ったような怒声が林に響き渡る。
俺とアヴェル王子は全速力で逃げた。
擦り身になるのは、流石に御免である。
「デカいのに、なんて速さだ! コータローさん、ど、どうしましょう?」
「あのぉ、ハルミアさん……奴は明らかに俺を狙っています。あ、貴方まで逃げる必要はないのでは?」
「この距離だと、そんな事言ってられないでしょッ。そんな事より、このままだと、すぐに追いつかれますよ! 何か良い手を考えてくださいッ!」
「い、良い手と言われまして
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