Lv47 魔王クラスの魔物
[9/13]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ルは振り回す棍棒を止めた。
【ムッ、お前か。して、首尾はどうなった?】
【そ、それが……ゼーレ洞窟の入口は魔導騎士達によって魔法の玉で爆破され、崩れてしまっており……な、中に入る事が出来ませんでした。い、如何なさいましょう?】
それを聞くや否や、ヴィゴールはワナワナと身体を震わせた。
【お、おのれェェェェ! 小賢しい奴らめッ! ゆ、許さんぞォォォ!】
どうやら、怒りはピークに達したようだ。
これはチャンスかもしれない。
というわけで、俺はこの隙に、アヴェル王子の所へと移動を開始したのである。
[V]
俺は魔法の聖水で魔力回復をしながら、ヴィゴールに見つからないよう木々に隠れ、少し離れた所にいるアヴェル王子の元へと移動した。
ちなみにだが、魔法の聖水で回復できたのは、半分より少し下といったところであった。
魔法の聖水はゲームだと、20ポイント程度のMP回復だった気がするので、俺の全MPを数値化すると120ポイント程度なのかもしれない。とりあえず、そんなもんだと思っておく事にしよう。
まぁそれはさておき、アヴェル王子は今、魔導騎士達に細かな指示を送っているところであった。
「今の奴は、何をするかわからん。奴の間合いに迂闊に近づくな! 今まで以上に間合いを取り、隙を見て死角からの攻撃を再開せよ!」
【ハッ】
そんなやり取りをしている王子に向かい、俺は背後からコッソリと近づいた。
そして、後ろから耳打ちをしたのである。
「ハルミア殿……今よろしいですか?」
アヴェル王子はビックリしたのか、ハッと俺に振り返った。
「な、なんだ、コータローさんか。脅かさないで下さいよ。で、どうしたんです?」
「今が絶好の機会です。ホークマンの口振りを見る限り、ゼーレ洞窟の入口は、向こうで待機していた魔導騎士達が崩してくれたようです。つまり、援軍は暫く来ないという事ですから、畳み掛ける良い機会ですよ」
「確かに……。それにコータローさんの攻撃で、奴に結構な傷も負わせられましたしね」
「ええ。おまけに、他の魔物達も、冒険者達が粗方片付けてくれたようなので、残すはヴィゴールと上空のホークマンだけと見ていいと思います。ですので、手数をかけて背後から奴に攻撃を加えましょう」
アヴェル王子はそこで顎に手を当て思案顔になると、俺に訊いてきた。
「それはそうですが……コータローさん……先程のあの攻撃なんですが、あと何回くらいできそうですか?」
変に勘違いされるのもアレなので、正直に言っておこう。
「それがですね……実はあれで打ち止めなんです。全魔力と引き換えに得た切断力なので」
「そうですか。という事は、後はもう、魔導騎士の魔法剣による攻撃しか残されてないんですね」
アヴェル王子はそう言って、少し
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ