Lv47 魔王クラスの魔物
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士20名以上の火炎斬りがヴィゴールに振るわれる。
「でやッ!」
「ハッ!」
「セイッ!」
ヴィゴールの身体に刃が食い込む。
だがしかし、ヴィゴールは意にかえした素振りも無く、平然としていたのである。
ヴィゴールはニヤリと嫌らしい笑みを浮かべると口を開いた。
【グハハハッ、その程度の攻撃なんぞ、痛くもかゆくもないわ!】
その刹那、ヴィゴールは巨体に似合わぬ動きを見せる。
魔導騎士がいる一画へと一気に間合いを詰め、5m以上は優にある馬鹿でかい棍棒を軽々と振るったのだ。
奴の棍棒は、周囲に密集している木々をへし折りながら、魔導騎士達へと襲い掛かる。
「グワァ」
「ゴフッ」
その攻撃により、6人程の魔導騎士が吹っ飛んだ。が、魔導騎士達は今の攻撃を受けた後、すぐに立ち上がり、ヴィゴールと間合いを取ったのである。
あの様子だと、まだまだ戦えそうだ。
ヴィゴールの忌々しそうな声が聞こえてくる。
【チッ……生きているとはな。木で勢いを殺されたか】
ここを戦場にして正解だったようだ。
そう……この林の木々は動かないが、俺達の味方なのだ。
あの巨体にあの武器だから、これだけ木々が密集していれば奴は全力で戦えないだろう。
おまけに、これだけの木が見えていたら、無意識のうちに力をセーブしてしまう筈。
それだけじゃない。この木々に騎士達が隠れる事も出来るので、巨漢である奴との戦闘に限っては、俺達に有利に働くのである。
とはいえ、戦いは始まったばかりだ。油断はできない。
「ハッ」
「セヤァ!」
魔導騎士達は手を休めず、ヴィゴールへ攻撃を続ける。
少しづつではあるが、ヴィゴールの身体から黒い血が滴ってきていた。
だが、かすり傷程度だったので、あまり大きなダメージは与えれてないようだ。ここだけは誤算であった。
(まさか、これほど打たれ強いとは……。ゾンビキラーを装備する魔導騎士にバイキルト掛けたにも拘らず、これかよ。一体、守備力幾つなんだ……ちょっとヤバいかも……)
ヴィゴールがイライラとした様子で口を開いた。
【ええいッ、ちょこまかと、うるさい蝿共め!】
ヴィゴールは尚も、木を薙ぎ倒しながら棍棒を振るう。
先程と同じように、魔導騎士は吹っ飛ばされる。が、すぐに立ち上がり、魔導騎士達は間合いを保ちながら武器を構える。続いて、宮廷魔導師達の回復魔法が彼等に降り注ぐのである。
ここで、ヴィゴールが悪態を吐いた。
【クッ……この忌々しい木めッ!】
(とりあえず、こうやって少しづつダメージを与え続けるしかないか。しかし……思った通り、とんでもない力を持つ、パワー型の魔物だな。正直ここまでとは思わなかった。こんなのが自由に力振るえる状態だったら、幾ら魔導騎士達でも太刀打ちできんぞ……)
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