Lv47 魔王クラスの魔物
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ヒィィ」
「キャァァ」
「地面かち割るって、なんやねん!」
そう……運が悪い事に、俺の近くにいた面子は、殆どが地割れに引きずり込まれたのだ。
地に足のつかない感覚は、すぐに終わりを迎えた。
ドスン! と鈍い痛みが尻に走る。
「イテテテ……」
どうやら、ケツで着地したようだ。
とはいえ、それ程の痛みではなかった。
多分、一緒に降ってきた柔らかい土がクッションになったからだろう。
そこで、アヴェル王子達の声が聞こえてきた。
「なんて奴だッ」
「クッ、地割れを起こすとは」
「イッ……ン、なんだこの空間は?」
俺もそこで周囲を見回した。
すると、見覚えのある光景が目に飛び込んできたのである。
なんとそこは、鍾乳洞だったのだ。
しかも、結構広い空間であった。
「こ、ここは……一体どこだ……まさか、ゼーレ洞窟か……」
と、俺が呟いたその直後であった。
ドォォンという大きな着地音と共に、低く太い声が洞窟内に響き渡ったのである。
【……その通り、ここはゼーレ洞窟だ。よくわかったな。そして……我が地下世界にようこそといったところか、クククッ】
アヴェル王子は声高に叫んだ。
「皆、奴から距離を取れ! 迂闊に近づくな!」
その言葉を号令に、俺達は全員、ヴィゴールから距離を取る。
そして武器を手に取り、すぐに身構えたのである。
ヴィゴールはニヤニヤしながら口を開いた。
【クククッ、さて、ではそろそろお前達に引導を渡すとしよう。ココならば我の力は発揮できるからな。覚悟するがいい!】
(チッ、不味い……奴の言うとおり、ここには奴の攻撃を阻むモノがない。どうしよう……この展開は予想できんかった。ちょっとヤバいかも……)
と、その時であった。
地の底から響くようなおどろおどろしい声が、突如、この空間に響き渡ったのである。
《……ヴィゴールよ……そなたに命ずる。この者共を全て始末せよ。生かして返すな……確実に始末せよ……》
ヴィゴールは声が聞こえた方向に向かって、恭しく頭を下げる。
そして、丁寧な所作で言葉を紡いだのであった。
【ハッ、アシュレイア様の仰せのままに……。必ずや仕留めて御覧に入れましょう……】と――
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