暁 〜小説投稿サイト〜
Dragon Quest外伝 〜虹の彼方へ〜
Lv47 魔王クラスの魔物
[12/13]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話

【ククククッ、なるほど……同胞達は既にやられ、残ったのはもう我だけという事か。ククク、やるではないか。蛆虫共の分際で、中々に手際がいい。まさか、ゼーレ洞窟の入口を爆破して崩すとは思わなかったぞ。お蔭で援軍は期待できそうもない。良い手だ。そこは褒めてやろう。だが……それで我を倒せると思っているのなら、それは甘い考えだ、クククッ……。とはいえ、如何に我の力が貴様等よりも強大とはいえ、これだけの数を相手するには、チト骨が折れるのもまた事実。よって……我もこの期に及んでは、不本意だが、撤退も考えねばならぬようだ。が……その前に1つだけやっておかねばならぬ事がある……】
 ヴィゴールはそこで俺に視線を向けた。
【貴様……確か、コータローとか言ったか。我を見破ったその鋭い洞察力といい、我の左目と左手首を奪った先程の攻撃といい……貴様からは非常に危険な臭いがしてくる。今にして思えば……木々が密集するこの林を戦いの場とした事や、洞窟の入口を塞ぐといった、この一連の流れも、恐らく、貴様が考えた事なのだろう。……一体何者か知らぬが、貴様からは、我等の悲願に支障をもたらす、危険な気配を感じる……。この危険な気配……これは是が非でも、取り除かねばならぬなぁ。クククッ……よって、貴様だけは必ず殺すと宣言しよう。そして、その舞台へ今、貴様を招待してやるッ!】
 と、その直後、ヴィゴールは棍棒を大きく振りかぶったのである。
 そして、俺のいる方に向かい、高く跳躍したのであった。が、しかし……その跳躍距離は思ったほどではなかった。
 なぜなら、奴が着地するであろう地点が、俺から50m以上離れた位置だったからである。
 そこは誰もいない所であった。あるのは地面のみだ。
(なんで、あんな所に……わけが分からん)
 と、そこで、ヴィゴールの声が聞こえてきた。
【クククッ、この林で戦う事で、貴様は有利に戦いを進めるつもりだったのだろうが、そう甘くはないッ! 地の利は我にあり! それを今、貴様に教えてやろうッ、シャァァァァ!】
 ヴィゴールは着地すると共に、馬鹿デカい棍棒をこれでもかというぐらい、思いっきり地面に振り下ろした。
 そして、次の瞬間!

 ―― ドゴォォン ――

 地響きが起きると共に、なんと、大地に大きな亀裂が走ったのである。
 亀裂は俺達の方にまであっという間に到達する。
 そして、俺はこの突然の地割れに、成すすべなく飲み込まれてしまったのであった。
「う、嘘だろッ、こんな事が!」
 アヴェル王子やウォーレンさん、そしてミロン君の悲鳴に似た声が聞こえてくる。
「な、何ィッ!」
「なんて奴だ! 地面を崩すなんて」
「ウ、ウォーレン様ァァ」
 続いてラッセルさん達の声も。
「ば、馬鹿な、こんな事が!」
「なんという化け物だッ」

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ