Lv47 魔王クラスの魔物
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【ククククッ、なるほど……同胞達は既にやられ、残ったのはもう我だけという事か。ククク、やるではないか。蛆虫共の分際で、中々に手際がいい。まさか、ゼーレ洞窟の入口を爆破して崩すとは思わなかったぞ。お蔭で援軍は期待できそうもない。良い手だ。そこは褒めてやろう。だが……それで我を倒せると思っているのなら、それは甘い考えだ、クククッ……。とはいえ、如何に我の力が貴様等よりも強大とはいえ、これだけの数を相手するには、チト骨が折れるのもまた事実。よって……我もこの期に及んでは、不本意だが、撤退も考えねばならぬようだ。が……その前に1つだけやっておかねばならぬ事がある……】
ヴィゴールはそこで俺に視線を向けた。
【貴様……確か、コータローとか言ったか。我を見破ったその鋭い洞察力といい、我の左目と左手首を奪った先程の攻撃といい……貴様からは非常に危険な臭いがしてくる。今にして思えば……木々が密集するこの林を戦いの場とした事や、洞窟の入口を塞ぐといった、この一連の流れも、恐らく、貴様が考えた事なのだろう。……一体何者か知らぬが、貴様からは、我等の悲願に支障をもたらす、危険な気配を感じる……。この危険な気配……これは是が非でも、取り除かねばならぬなぁ。クククッ……よって、貴様だけは必ず殺すと宣言しよう。そして、その舞台へ今、貴様を招待してやるッ!】
と、その直後、ヴィゴールは棍棒を大きく振りかぶったのである。
そして、俺のいる方に向かい、高く跳躍したのであった。が、しかし……その跳躍距離は思ったほどではなかった。
なぜなら、奴が着地するであろう地点が、俺から50m以上離れた位置だったからである。
そこは誰もいない所であった。あるのは地面のみだ。
(なんで、あんな所に……わけが分からん)
と、そこで、ヴィゴールの声が聞こえてきた。
【クククッ、この林で戦う事で、貴様は有利に戦いを進めるつもりだったのだろうが、そう甘くはないッ! 地の利は我にあり! それを今、貴様に教えてやろうッ、シャァァァァ!】
ヴィゴールは着地すると共に、馬鹿デカい棍棒をこれでもかというぐらい、思いっきり地面に振り下ろした。
そして、次の瞬間!
―― ドゴォォン ――
地響きが起きると共に、なんと、大地に大きな亀裂が走ったのである。
亀裂は俺達の方にまであっという間に到達する。
そして、俺はこの突然の地割れに、成すすべなく飲み込まれてしまったのであった。
「う、嘘だろッ、こんな事が!」
アヴェル王子やウォーレンさん、そしてミロン君の悲鳴に似た声が聞こえてくる。
「な、何ィッ!」
「なんて奴だ! 地面を崩すなんて」
「ウ、ウォーレン様ァァ」
続いてラッセルさん達の声も。
「ば、馬鹿な、こんな事が!」
「なんという化け物だッ」
「
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