Lv47 魔王クラスの魔物
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も」
俺は後ろをチラ見した。
奴と俺達の距離は10m程。少しでも気を抜けば、すぐに追いつかれる距離であった。
(クソッ、巨体の癖に、なんつう足の速さだ。怖ぇぇ……。それはともかく、このままじゃやばい。……ど、どうしよう、何か良い手ははないか……アッ!?)
丁度そこで、俺の脳裏にとある漫画の一コマが過ぎったのである。
「ハルミアさんッ、光の剣ですッ。あれで目晦ましをしてくださいッ!」
天津飯、技を借りるぜ、てなもんだ。
「あ、そうか、その手があったかッ。わかりました」
アヴェル王子は剣を奴へと向け、柄の上にある水晶球に手で触れた。
と、次の瞬間、カメラのフラッシュを思わせる眩い光が、ヴィゴールに向かって放たれたのである。
太陽拳ならぬ太陽剣といった感じだ。
【グアァァ! またあの光か! おのれェェ】
ヴィゴールは目を押さえ、勢いよく木に衝突する。
そして、木をへし折りながら、ヴィゴールは派手に転倒したのであった。
(た、助かったぁ……)
俺とアヴェル王子は、奴と少し距離を置いてから立ち止まる。
その直後であった。
「今だ! 魔導騎士隊は間合いを取りつつ、魔物を包囲するんだ。急げ!」
【ハッ】
丁度そこで、ウォーレンさん達もやって来たのである。
魔導騎士達も一緒であった。ナイスタイミング!
ウォーレンさんとミロン君は、俺達の所に駆け寄ってきた。
「ハルミア殿、お怪我は? それとコータローも大丈夫か?」
「大丈夫だ、ウォーレン」
「俺もなんとか。ン? おおッ!」
ここで更なる援軍が駆け付けた。
なんと、ラッセルさんとバルジさんのパーティも、俺達の所にやって来たのである。ついでにラティとボルズも。
「コータローさん、大丈夫ですか?」と、ラッセルさん。
「ええ、今のところ大丈夫です。ところで、他の魔物はどんな感じですか?」
「冒険者に化けていた魔物達は、先程、すべて倒しました。後はもう、この親玉の魔物だけです。なので、俺達も加勢しますよ」
頼もしい限りだ。
続いてバルジさんが、申し訳なさそうに口を開いた。
「まさか、ゴランが魔物だったとは……すまない、コータローさん。貴方の忠告を無視して……」
「その話は後です。まずはこの魔物を倒すのが先です。ですが、気を付けてください。コイツはとんでもない化け物です。恐ろしい魔法を使ってきますから、間合いを大きくとってください。それと、決して、正面から戦おうとしてはいけませんよ」
「わかりました」
俺達がそんなやり取りをする中、ヴィゴールはゆったりとした動作で立ち上がり、周囲を見回した。
ヴィゴールの周囲は既に、冒険者と魔導騎士達によって完全に包囲されていた。
状況を確認したところで、ヴィゴールは不敵に微笑んだ。
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