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Dragon Quest外伝 〜虹の彼方へ〜
Lv46 ヴィゴール( i )
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 そして、話が粗方纏まったところで、俺達は抜け道を通り、オヴェール湿原へと向かったのである。


   [W]


 オヴェール湿原を進み、ゼーレ洞窟の近くにある林へとやってきたところで、俺達は進軍を止めた。
 ウォーレンさんとアヴェル王子は、先程の打ち合わせ通り、魔導騎士と宮廷魔導師に指示を出し、所定の位置に人員を配置した。
 そして、それらを終えた後、俺達は暫くの間、この林の中で待機となるのである。
 俺はその辺にある大き目の石に腰を降ろし、空を見上げた。
 太陽の位置を見る限り、今はお昼前といったところだろうか。
 周囲の林に目を向けると、密集する背の高い木々と、歪んだ線のように見える細い砂利道が視界に入ってきた。
 この細い道だと、馬車同士の擦れ違いは無理だろう。それ程に窮屈な道だ。
 また、ウォーレンさんの言っていたとおり、この林は密集した雑木林といった風であった。
 思った以上に木々が密集してるので、これは嬉しい誤算といえた。この地形ならば、俺達に有利に作用してくれそうだからである。
 つーわけで、後は冒険者御一行が来るのを待つだけだ。

(バルジさん達の出発は、イシュラナの鐘が鳴る頃だから、もう少しで来る筈だ。いよいよだな……ぶっつけ本番だから不安だが、もうやるしかないだろう)
 俺がそんな事を考えていると、アヴェル王子がこちらにやって来た。
「コータローさん、今になってこんな事を訊くのもなんですが、勝算はどんなものですか?」
「勝算ですか……まぁ、あると言えばありますが、こういった勝負事というのは、時の運もありますので、確実に勝てるとはなかなか言えません。ですが、現時点で出来ることはやったつもりです。後は天にまかせましょう。人事を尽くして、天命を待つってやつです」
「ジンジ……テンメイを待つ? 何ですかそれは?」
「俺の生まれ故郷にある諺ですよ。人として出来るだけの事をしたら、後は、天の意思に任せるという意味合いの言葉です」
「ああ、そういう事ですか。何か、哲学的なモノを感じる言葉ですね」
 と、そこで、ラティとボルズが俺の所にやってきた。
「なぁコータロー、ここで、冒険者が来るの待つって聞いたけど、何で待つんや? 今から何かあんの?」
「おい、アンタ、今から一体何をするつもりなんだ? 魔物がいるのはゼーレ洞窟なんだろう? なんでここで、兄貴達を待たなきゃならないんだ?」
 ラティとボルズはわけが分からないといった風であった。
 理解してないようなので、軽く説明しとこう。
「ここで彼等を待つ理由は1つです。冒険者が来ない事には話が進まないからですよ」
「話が進まない? なんでだ」
「それは勿論……ン? おや、来ましたね」
 ラティとボルズは俺の視線の先を追った。
「あ、ホンマ
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