Lv45 落ちこぼれ冒険者
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この世界の魔物はゲームと違ってお金にはなってくれないので、死体の後始末が難しいところだ。
とはいえ、今はそんな事に構ってられない。
「残念ですが、死体の処理までしている時間はありません。後の事はラヴァナの衛兵にでも任せましょう。それよりも、今は一刻も早くこの場を立ち去ったほうがいいです。次の追っ手が来るかもしれませんからね」
「確かに……」
「ところでラッセルさん、ここ以上に人目を避けれる、良い隠れ場所とかってありますかね?」
「隠れ場所ですか……まぁ一応、それらしい所はありますが」
「じゃあ、そこに案内してもらえますか」
「わかりました。ではついて来てください」――
[V]
倉庫街で魔物達と戦闘を終えた後、俺達はラッセルさんの案内で、ラスティーア商業区にある少し小汚い地区へとやって来た。
そして、その地区にある、とある小さな石造りの四角い建物へと、俺達は足を踏みいれたのである。
間取りや見た目からすると、一応、民家のようだ。建物自体は古く、外壁や内壁は結構色褪せていた。
とはいえ、周りの建物が大体そんな感じなので、まぁある意味、ここでは普通の建物といったところだ。この街並みから察するに、貧困層が住む区域なのかもしれない。
まぁそんなことはさておき、建物の中に入ったところで、ラッセルさんがボソリと呟いた。
「あの頃のままだな、ここは……。あの後、誰も住んでないから当然か……」
「そうね」とリタさん。
どうやら2人がよく知る建物のようだ。
つーわけで訊いてみた。
「ラッセルさん、この建物は?」
「今から15年ほど前、俺とリタはここに住んでおりました。今はアーウェン地区に住んでいるので、ここにはもう住んでませんがね。ですが、時々、来てしまうんですよ。嫌な事や、辛い事があると、なぜか来てしまうんです。まぁ子供時代の思い出の家といったところですかね」
ラッセルさんはそう言って、感慨深そうに、埃だらけの壁に刻まれた落書きに手を触れた。
多分、ラッセルさん達が子供の頃につけたモノなのだろう。
ここには色々な思い出が詰まっているに違いない。
「なるほど、昔住んでいた家ですか」
「ええ。ま、それはそうと、コータローさん。この後ですが、どうした方がいいのでしょう……正直、かなり不味い事態なのはわかるのですが、我々の手には負えない気がするのです」
続いてボルズが話に入ってきた。
「そ、そうだぜ。俺は魔物に狙われるのなんて、真っ平御免だからな。な、なんとかしろよ」
コイツ……多分、俺以上のヘタレかもしれない。
見た目は厳ついのに……すげぇギャップだ。
まぁそれはともかく、不味い事態なのは確かである。
「ラッセルさんの言うとおり、かなり不味い事態です。早くなんとかしない
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