Lv45 落ちこぼれ冒険者
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……」
「何か思い出しましたか?」
「いや、そう大した話じゃないんだが、昨年のジュノンの月に入った頃だったか、兄貴のパーティは一度解散したんだよ。で、その後、今のパーティになったんだが、それからかな、やたらと大きな依頼をこなしていくようになったのは……。ま、それもあって、今じゃ、王都の冒険者階級最高位の白金だからな。お蔭で、落ちこぼれの俺との差も、凄い事になりだしたよ」
「え? じゃあ、昨年はまだ、金の階級の冒険者だったんですか?」
「ああ、そうだ。……って、こんな事はラッセル達だって知ってる事だろ」
俺はラッセルさんに視線を向けた。
ラッセルさんは頷く。
「ボルズの言ってる事は本当ですよ。バルジ達は昨年になってから難度の高い依頼を次々とこなし、白金の称号を手に入れました。なので、バルジ達のパーティは今、王都で一番勢いのあるパーティなんじゃないですかね」
どうやら、本当の事のようだ。
「へぇ、そうだったんですか、なるほど……。まぁそれはともかく、話を戻しますが、バルジさんはどうしてパーティを解散したんですか?」
するとラッセルさんが答えてくれた。
「以前、バルジから聞いたんですが、仲間達と意見が食い違い、少し揉めたような事を言ってましたね。バルジは上昇志向の強い冒険者ですから、結構、意見の対立とかもあったそうですよ」
と、そこで、ボルズがボソッと呟いた。
「フン……どうせ、志しが低い連中とわかったから、早めに手を切ったんだろ。兄貴はいつも上ばかりを目指してたからな。……アイツは自分の目標の為なら、なんだってする男だ。仲間と別れるくらい、なんでもねぇさ。……俺もそのクチだからな」
「ふぅん。で、バルジさんの目標っていうのは何なんだい?」
「アイツの考えてる事は1つだ。親父を越え、王都一の冒険者という名声を手に入れる事さ」
ここでリタさんが話に入ってきた。
「そういえば、バルジとボルズの父親って、疾風のバーンズだったわね」
「疾風のバーンズ?」
「少し前だけど、王都で名の通っていた冒険者の1人よ」とマチルダさん。
「ま、とはいうものの、俺達が子供の頃、親父は魔物との戦闘中に、崖から落ちて死んじまったがな。そういや……その頃からだったか、兄貴が冒険者としての名声に拘りだしたのは……」
冒険者としての名声に拘る、か……。
まぁいい、質問を続けよう。
「それはそうと、さっき、『いつもの事』と言いましたが、バルジさんは今までに何回もパーティを解散してるんですか?」
「今までに6回くらいはしてるぜ」
するとラッセルさんが驚きの声を上げた。
「え? バルジはそんなに何度もパーティを組みかえてるのか?」
少々意外だったようだ。
ボルズは頷く。
「ああ、俺が知る限りではな」
「へぇそうなんだ。でも
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