Lv45 落ちこぼれ冒険者
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このドラキーはネイティブで関西弁喋るので、案外、お笑い芸人気質なのかもしれない。
[U]
ボルズとの交渉を終えた後、俺達はラッセルさんの案内で、アーウェン商業区の路地裏にある、ひっそりとした区域へとやってきた。
飾りっ気のない平屋の建物ばかりが並ぶところで、表の喧騒からは考えられないほど静かな所であった。
ラッセルさんの話によると、この辺りは利用頻度の少ない寂れた倉庫街らしい。人もあまり見かけないので、内緒話をするにはうってつけの所であった。
そんな閑散とした倉庫街を暫く進み、程なくして俺達は、石造りの少し大きな建物の中へと、ラッセルさんに案内されたのである。
カマボコ型の屋根をした建物で、中は朽ち果てた木製の台車や、埃にまみれる木箱等が幾つも転がっており、どことなく寂しい雰囲気の漂う所であった。
この様相を見る限り、ココも昔は倉庫として使っていたのだろう。
「コータローさん、ここならば、そう人も来ないでしょうから、気兼ねせずに話せると思います」
「そのようですね。では、ここにしましょうか」
俺はそこでボルズに視線を向けた。
ボルズは腕を組み、倉庫の壁に背を持たれると、ぶっきら棒に言った。
「で、俺に訊きたい事ってのはなんだ?」
「訊きたい事というのは、他でもない、バルジさん達についてです」
ボルズは面白くなさそうに口を開く。
「フン……また兄貴のことか……ったく、どいつもこいつも……。で、兄貴の何が知りたいんだ? 言っとくが、俺はここ最近、兄貴と話す事なんて殆どないんでな。家でもそんなに顔は合わさねぇから、答えられることなんて、そんなにねェぞ」
「答えられることで構いませんよ。まぁそれはともかく、ここ1、2年の間でなんですが、バルジさんの周りで、何か変わった事とかは無かったですかね? 同居されている方なら、そういった事に敏感だと思うので」
「何も変わらねェよ。相も変わらず、優秀な兄貴さ。俺なんかと比べもんにならねぇくらいにな。そりゃあもう、自慢の兄だよ。どうだ、気が済んだか?」
どうやら、被害妄想に取りつかれているようだ。
長い間、優秀な兄とずっと比べられ続けてきたのだろう。今まで、結構惨めな思いをしてきたに違いない。
まぁそれはさておき、質問の意図を理解してないみたいなので、一度言っておくとしよう。
「ああ、言っときますけど、俺は別にバルジさんの優秀さを訊いてるんじゃないですよ。バルジさんの交友関係や冒険者としての行動、そして普段の行動で、妙な変化はなかったかと訊いているんです。で、何か変わったところは無かったですかね? どんな些細な事でも構いませんから言ってください」
「そういわれてもな……変わったところっつっても……あ!? そういや……でも、あれはいつもの事か
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