Lv45 落ちこぼれ冒険者
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。あの様子だと、どうせまた、兄のバルジと比較されて、いきり立ってるんでしょ。さ、行きましょ。あんなのに関わると、後が面倒よ」と、マチルダさん。
この口ぶりから察するに、あの男の揉め事は日常茶飯事なのかもしれない。
多分、ボルズとかいうゴロツキ冒険者は、この界隈では有名なチンピラモドキなのだろう。
「コータローさん、行きましょう。気にしないでください、いつもの事ですから。それより、このままここにいると、奴等の喧嘩に巻き込まれますよ」
「ですね。行きま……」
俺はそこで言葉を止めた。
なぜなら、奴に確認したい事が脳裏に過ぎったからである。
「ラッセルさん、1つ訊きたい事があります。あのボルズという冒険者は、バルジさんの弟なのですか?」
「ええ、そうですよ。それがどうかしましたか?」
「そうですか……ちなみに、彼はバルジさんと一緒に住んでいるのですかね?」
「だと思いますが……」
「では、彼に少し確認したい事があるので、仲裁に入るとしましょうか」
「え? ちゅ、仲裁ですか……」
ラッセルさんは首を傾げた。
「はい、仲裁です。じゃあ、そういうわけで、ちょっと行ってきますね。俺が仲裁に失敗したら、ラッセルさんも応援に来てください」
「え? ちょっ、コータローさん……」
そして、俺は修羅場へと足を踏み入れたのである。
俺は奴等に近づき、フレンドリーに声を掛けた。
【はい、やめぇ〜。はい、終了〜。そこの冒険者達ィ〜、熱くならない、熱くならない】
ボルズと、喧嘩相手の1人と思われるゴツイ髭面の男戦士が、こちらに振り向いた。
「テ、テメェは、この間のッ! 何しにきやがったッ、関係ない奴は引っ込んでやがれッ!」
「誰だ、お前は? 一体、何のようだ?」
とりあえず俺は、ボルズは無視し、ゴツイ髭面戦士の方に話しかけた。
「御取り込み中のところ、すいませんね。実はですね、私、このボルズっていうドルイドみたいな頭をした男に少し用があるんですよ。何があったのか知りませんが、ここは一度手を引いてもらえませんでしょうか?」
「ド、ドルイドみたいな頭……ガッハッハッハ」
戦士は腹を抱えて豪快に笑いだした。
俺のウィットに富んだドラクエ的比喩表現がツボに入ったようだ。
逆にボルズは怒りのあまり、ツルッパゲな頭を真っ赤に染めていた。
ドラクエ的に言うならば、ドルイドから鬼面道士に変化した感じだ。その内、メダパニを唱えてきそうである。
まぁそれはさておき、ゴツイ戦士は笑いながら話し始めた。
「ガハハハハハ、ハヒィ、ハヒィ……ドルイドのような頭か、こいつぁいいぜ……いいだろう、この場はアンタに免じて退いてやるよ。じゃあな、ドルイド野郎」
捨て台詞を吐きながら、ゴツイ戦士は背を向けて歩き出した。
【ま、待ち
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