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Dragon Quest外伝 〜虹の彼方へ〜
Lv44 新たな疑惑
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俺を案内すると、そこで扉をノックし、中に向かって呼びかけた。
「ウォーレン様、コータロー様をお連れ致しました」
「入ってもらってくれ」
「畏まりました」
 使用人は扉を開き、中へ入るよう促してきた。
 俺はそれに従い、そこへと足を踏み入れる。
 すると中は、書斎のような空間が広がっていた。
 左右の壁には本棚があり、そこには沢山の書物が並んでいる。部屋の奥には書斎机があり、中央には来客用と思われるソファーが、テーブルを挟んで相向かいに置かれていた。
 そして、そのソファーには今、2人の人物が腰を下ろしており、1人はウォーレンさんで、もう1人はなんと、アヴェル王子であった。
 だがとはいうものの、今はこの名前で呼ぶことはできない。
 なぜなら、今のアヴェル王子は騎士・ハルミアの姿だからだ。この姿の時は、ハルミアさんと呼ばなければならないのである。
 今の時間、ここにいるという事は、多分、城を抜け出してきたんだろう。
 結構好き勝手やってるようである。
(う〜ん……流石にフラフラ王子という称号をもらうだけあるわ)
 ふとそんな事を考えていると、ハルミアさんは笑みを浮かべ、俺に労いの言葉をかけてきた。
「ご苦労でしたね、コータローさん。ウォーレンから話は聞いてますよ」
「ハルミアさんもおられたのですか。お勤めご苦労様です」
「ま、そういうわけだ。コータロー、そんな所に突っ立ってないで、ここに掛けろよ。ゆっくりと話も出来ないぞ」
「ではお言葉に甘えて」
 ウォーレンさんの言葉に従い、俺もソファーに腰を下ろした。
 と、そこで早速、ウォーレンさんが訊いてくる。
「ところで、コータロー。魔物の討伐依頼は、どういう決断を下してきたんだ? やっぱ、断ったのか?」
 いきなり、それを訊いてきたか。
 まぁいい。かえって好都合だ。
「ええ、それなんですが……実はですね、その事でちょっとご相談があるんですよ……」
「ご相談? って何だ一体?」
「少し込み入った話になりますので、順を追って話しましょう。実はですね……」――

 俺はまず、イシュラナ神殿の依頼がおかしいと思った事から順に話していった。
 最初は笑顔で聞いていた2人も、次第に険しい表情へと変化してゆく。
 そして、俺がゼーレ洞窟の件を話し終えた時には、2人共、かなり強張った表情となっていたのである。

 暫し無言の時が訪れる。
 まず最初に口を開いたのは、ウォーレンさんであった。
「それは……ほ、本当なのか? 何か証拠はあるのか?」
「証拠はありません。ですが、今のは俺が確かに見てきた話です」
「し、しかしだ。どうやって、その洞窟内を見てきたんだ? さっき魔物に変装したとか言ってたが、そんな魔物だらけの所に行ったら、幾らなんでもバレるだろ」
 ア
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