Lv43 魔窟からの帰還( i )
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が重すぎるわ。あの魔物達は、多分、魔導騎士団でないと厳しいわよ」
「マチルダの言うとおりね。はぁ……嫌な魔物が棲みついたものだわ」
俺はそこで頭を振った。
「いや……アレはただ棲みついてるわけじゃないですよ。明確な理由があって、あそこにいるんだと思います」
「明確な理由って、あのグァル・カーマの法とかいう儀式の事?」と、マチルダさん。
「まぁそれもあるとは思いますが……恐らく、最終目標は別のところにあると思います」
「最終目標?」
「あの時、ヴィゴールという魔物は、ゼーレ洞窟の事を拠点と言ってました。つまり、そこを足掛かりにした明確な目的があるという事です。そして……その目的とは、恐らく、王都を……いや、延いては、イシュマリアを攻め滅ぼす事なのかもしれません。あのグァル・カーマの法とやらも、それを達成する手段の1つと考えると、しっくりきますからね」
そう……あの魂融合の儀式は、ある障害を取り除く為の手段なのである。
しかも、奴等は今、その手段の選択肢を増やそうとしているのだ。
と、そこで、マチルダさんの震える声が聞こえてきた。
「イ、イシュマリアを……攻め滅ぼすですって……。コ、コータローさんは、ラミナスと同じような事が起きると……考えているの?」
俺は無言で頷いた。
その瞬間、マチルダさんとシーマさんは険しい表情で、息を飲んだのである。
(また重くなったな……驚かせ過ぎたか。仕方ない、少し和らげておくとしよう)
「まぁ、これはあくまでも俺の想像ですから、本当のところはどうかわかりません。でも、そういう可能性もあると考えておいた方が良いですよ」
「そ、そうよね……さ、最悪の事態は、考えておいた方がいいものね」
マチルダさんは自分に言い聞かせるように、そう呟いた。
多分、すんなりとは受け入れられないのだろう。
「それはそうとコータローさん……怪我は大丈夫? 貴方も、あの馬鹿でかい奴から強烈なの貰ってたけど……」と、シーマさん。
「怪我? ああ、大丈夫ですよ。あの戦闘で、かなり魔力を酷使しましたが、治療できるくらいの魔力は残ってましたからね」
とはいうものの、あの戦いで魔力の3分の2は使ってしまったので、道中かなり節約しないといけない状態ではあるが……。
「そう、よかった。でも、コータローさんて強いのね……あんな戦い方する人、初めて見たわ」
「シーマはんの言う通りや。ワイも初めて会うた時、強い冒険者やなと思っとったけど、あないな魔物倒せるほど強いとは思わんかったわ」
「本当よね。アレを見てたら、コータローさんが魔法使いなのか、戦士なのか、よくわからなくなったわ。以前、魔導騎士が戦ってるの見たことあるけど、それよりもずっと凄ったわよ」
「まぁ、自分でもよくわからない時ありますからね。でも、アレはあ
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