Lv43 魔窟からの帰還( i )
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た。
だが次の瞬間、サイクロプスは体勢を崩しながらも、ラッセルさんを棍棒で薙ぎ払ったのであった。
「グワァァッ!」
ラッセルさんは直撃を受け、10m程先に吹っ飛んでいった。
ゴロゴロと勢いよく転がり、地面に横たわる。
おまけに少しグッタリとした感じであった。相当なダメージを受けたに違いない。
するとその直後、サイクロプスは俺に背を向け、ラッセルさんの方へと歩き始めたのである。
(不味いッ! 先にラッセルさんの止めを刺すつもりだッ)
俺は魔導の手を使って魔光の剣を急いで引き寄せ、すぐさま光の刃を出現させる。
それから、奴の動きを止める為に、俺は呪文を唱えたのであった。
「メラミ!」
<i6972|23211>
火球が奴の右足にヒットして爆ぜる。
【ウガァァァ】
サイクロプスは苦悶の声を上げながら、バランスを崩し、片膝を突いた。
(よし、奴の足を一時的に止めれた。今がチャンスだッ!)
俺は魔導の手を使い、奴との間合いを一気に詰める。
そして、片膝を突いて丁度いい高さになった奴の首を、背後から水平に斬りつけたのである。
その刹那、奴の首がボトリと地面に転がり落ちる。
それから、少し遅れて奴の身体もゆっくりと崩れ落ち、ドスンという音と共に地面に横たわったのであった。
サイクロプスを仕留めた俺は、そこでマチルダさんとシーマさんに視線を向けた。
すると、2人は口を開けながら、ポカンとした表情で佇んでいた。
あっという間の出来事に、呆然としているのだろう。
だが、愚図愚図している暇はないので、俺はマチルダさんとシーマさんにすぐ指示を出したのである。
「2人共、時間がありませんッ。他の魔物が来る前に、急いでラッセルさんを治療してくださいッ。リタさんは俺が治療します。終わり次第、すぐこの場を去りますよ!」
「え? う、うん。 わかったわッ」
2人は足早にラッセルさんの元に駆け寄る。
そして俺も急ぎ、リタさんの治療を始める事にしたのである。
俺は仰向けで地面に横たわるリタさんに近寄り、声をかけた。
「リタさん、大丈夫ですか?」
「……」
だが、俺の呼び掛けには答えず、リタさんは焦点の定まらない目で空を見続けていた。
「リタさんッ」
「……」
もう一度呼びかけたが、同じ反応だった。
埒が明かないと思った俺は、とりあえず、傷の具合を確認する事にした。
近くで見て分かったが、リタさんはそれほど深手は負ってないようであった。擦り傷や打撲が少々ある程度だ。
(外傷はホイミ2回程度で直りそうだが、この様子を見る限り、精神的な傷の方は深そうだな……。まぁいい。とりあえずは身体の治療だ)
というわけで、俺は早速治療を開始した。
そして、傷が粗方治ったところで
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