Lv43 魔窟からの帰還( i )
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い。
やはり、このクラスの魔物になると、リタさん程度では完全に刃を突きこむ事は難しいのだろう。
それはさておき、この一撃で、3体の魔物達はリタさんに視線向けた。……万事休すである。
【ウガァ、なんだコイツは!? 何トチ狂ってやがる! 同胞を刺しやがったッ】
【地獄の鎧が何で俺を襲うッ。チッ、オノレェ!】
刺されたライオンヘッドは、右前脚でリタさんを突き飛ばした。
「キャッ!」
リタさんは勢いよく吹っ飛ぶ。
するとその直後、もう一体のライオンヘッドが、仰向けに転がるリタさんの上に飛び乗り、腹部を踏みつけたのである。
「グゥゥ……あぐぅ」
苦しそうなリタさんの呻き声が聞こえてくる。
そこでライオンヘッドは、クンクンとニオイを嗅ぐ仕草をした。
【ガルルゥ……なんか、コイツ妙だぜ。今、声を上げやがった。それに、この地の奴等のニオイがするぞ……ン? これは…】
と、その時、更によくない事が起きた。
なんと、リタさんの身体から水色の霧が発生し、元の姿へと戻ってしまったのだ。
そう……変装が解けてしまったのである。
いや、リタさんだけじゃない。
俺達の変装もここで解けてしまったのだ。
(さ、最悪な展開だ。……なんつータイミングで効果が切れるんだよ。勘弁してよ、もう……)
サイクロプスが口を開く。
【この姿……これはこの国の冒険者だ。まさか、変化の杖をつかってたのか】
【みたいだな。これは、ヴィゴール様に報告しなきゃならんな。だがまぁ、その前にだ……ガルルゥ】
【ああ、食っちまおうぜ】
涎を垂らした2体のライオンヘッドは、リタさんの真横で舌舐めずりをした。
もう迷っている時間はなさそうだ。
(……仕方ない。魔物はこいつ等だけみたいだし、助けるなら今しかないだろう。かなり魔力を消耗するが、魔光の剣を使って奴らを倒すしかないか……。それに……正体がバレた以上、こいつ等にはここで死んでもらうしかない)
俺はそう決断すると、ラッセルさんに告げた。
「ラッセルさん、今から妹さんを救出します。俺が奴等を始末しますんで、援護をお願いします」
「え? 何か手があるのですか?」
「……上手く行くかどうかはわかりませんが、やるしかないです。それから、マチルダさんとシーマさんは、ホイミを使えると言ってましたね?」
2人は頷く。
「ええ、ホイミなら少しは使えるけど」
「じゃあそれで、俺やラッセルさんの回復の方をお願いします」
「わかったわ」
「それから、ラティは周りを見張っていてくれ。他の魔物が来たらすぐに知らせるんだ」
「わ、わかったで。まかしときッ」
「じゃあ、そういうわけで、皆、よろしくお願いします」
俺はすぐに行動を開始した。
魔導の手に魔力を籠め、見えない手を、奴等の遥か頭上
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