Lv43 魔窟からの帰還( i )
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な岩が転がる所であった。
少し閉鎖的な雰囲気があるので、ある意味、休むには良さそうな場所だ。
(奴等は何しに来たんだ……昼寝か?)
俺はそんな事を考えながら、奴等が降り立った辺りに目を向ける。
だがその時、とんでもないモノが、俺の目に飛び込んできたのであった。
(イッ!? ア、アレは……)
俺は思わず息を飲んだ。
なぜならそこには、サイクロプスが1体昼寝をしていたからだ。
(う、嘘ォ……俺達の近くに、サイクロプスが昼寝してたとは……。あ、危ねぇ……俺達の話を聞かれてなかっただろうな……)
と、そこで、ライオンヘッドの1体が口を開いた。
【ガゥルルル……俺達の寝床でサイクロプスが寝てやがる】
どうやらここは、ライオンヘッドの寝床みたいだ。
早々に立ち去った方が良さそうである。
続いて、もう1体のライオンヘッドがサイクロプスの頭を蹴った。
【起きろ、このデカブツ。ここは俺達の寝場所だッ】
【ガッ! イってぇ!】
サイクロプスは今の一撃で半身を起こし、ライオンヘッドを睨んだ。
目が赤く変化しているところを見ると、かなりお怒りのようである。
【ウガァ……何すんだ、テメェら。折角、気持ちよく寝てたところをッ!】
【ガルルルぅ、そりゃ、コッチの言い分だ。テメェこそ何してやがる、俺達の寝床で!】
【知るかッ、そんなもん!】
【コッチはなぁ、5日前に街道で食い損ねた冒険者達の事で、気が立ってんだ。とっとと消えろ! このデカブツ!】
【そうだぜ。ガルルゥ、あの冒険者達を襲ったお蔭で、ヴィゴール様には怒られるしよッ。ムカムカするぜッ。どっかいけッ!】
なんか知らんが一触即発といった雰囲気であった。
(逃げるなら、内輪揉めしている今の内だな)
そう考えた俺は、皆にその旨を伝える事にした。
だがしかしッ! ここで予想外の事が起きたのである。
なんと、リタさんが剣を鞘から抜き放ち、奴ら目掛けて突進したのだ。
「オノレェ! バネッサ姉のカタキッ!」
俺はその姿を見るや否や、ムンクの叫びの如く、脳内で悲鳴を上げた。
(キャァァァァ!)
ラッセルさん達は慌ててリタさんを呼び止める。
「馬鹿なッ! 待て、リタッ!」
「ちょ、ちょっと、リタ。待ちなさいッ!」
「止まりなさい、リタッ!」
「ちょっ、ネェちゃん! ここまで来て、それはナシやッ、 アカンて!」
だが皆の声は届かなかった。
リタさんは剣を突く構えをとり、ライオンヘッドに勢いよく襲い掛かる。
その刹那!
【ギャフゥゥ!】
ライオンヘッドの苦悶の声が辺りに響き渡ったのであった。が、しかし、倒すほどではなかった。
なぜなら、突きは浅いからだ。あの様子を見る限りだと、恐らく、10cm程度しか入ってないに違いな
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