Lv43 魔窟からの帰還( i )
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」
リタさんは少し俯き加減になり、申し訳なさそうに言葉を発した。
「あの……さっきはごめんなさい。よく考えたら……貴方の言ってる事が正しいわ。それから、今日は勝手な事ばかりして……ごめんなさい。私……バネッサ姉の事が頭から離れなくて……ここ最近、どうかしてた。その所為で、皆を危険な目に遭わせてしまって……本当にごめんなさい」
そして、リタさんは深く頭を下げたのである。
この様子を見る限り、道中、色々と思い悩んでたに違いない。
だが、忠告はしておこう。
「リタさん……大切な人の死を目の当たりにすれば、誰しも普通じゃいられませんよ。俺だって、同じような立場だったら、まともな思考が出来たかどうかわかりませんしね。ですが……だからといって、それは、他人を危険に巻き込む理由にはならないんですよ。特に、リタさんは冒険者……つまり、危険の中での集団行動をしているわけですから、1人の誤った判断が仲間の死に直結するんです。今日の事はもう終った事だけど、それだけは忘れないようにね。まぁ、俺もあまり偉そうな事言えたもんでもないけど、それだけは心掛けてるからさ」
「うん、忘れない。ありがとう、コータローさん」
リタさんは素直に頷いてくれた。
道中大泣きした事で、少しは気が晴れたのかも知れない。
続いてリタさんは、他の2人にも謝罪した。
「それから、マチルダさんとシーマさん……今日はごめんなさい。貴方達を危険な目に遭わせてしまった事を深く反省してます」
「もう終った事よ。でも、次やったら、流石に怒るわよ」とマチルダさん。
「そうよ。マチルダは怒ると怖いんだから」
「はい、気を付けます」
心なしか、マチルダさんとシーマさんの表情は、少しホッとしたような感じであった。
多分、2人はリタさんの事を相当心配してたのだろう。
「さて、それじゃあ、中に入りますか。流石に疲れましたからね」
「ええ」――
ルイーダの酒場に入った俺達は、適当に空いているテーブルへと行き、備え付けられた椅子に腰かけた。
周囲を見回すと、沢山の冒険者達の姿が視界に入ってくる。以前来た時と同様、かなりの賑わいであった。
俺達が席に着いたところで、給仕の若い女の子がオーダーを取りにやって来た。
「お疲れ様でした。御注文は何にしますか?」
マチルダさんが俺に訊いてくる。
「コータローさん達は何にする?」
「俺はヴィレアとラパーニャ、後は適当にお任せしますよ」
「ワイはバンバの実の盛り合わせと、ラパーニャでお願いできまっか」
「そう。じゃあ、私達も似たようなの頼もうかしら」
マチルダさんはそう言うと、俺達が頼んだ物の他に、幾つかの料理を注文していった。
給仕の子が去ったところで、ラティが溜息混じりに口を開いた。
「しかし、今日は疲れたわ
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