Lv42 グァル・カーマの法
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今度はラッセルさん達とラティが、一斉に俺に目を向けたのである。
(コ、コッチ見んな! 怪しまれるだろッ、バレたらどうすんだ、このトンチキがッ!)
奇妙な冒険第3部に出てきた某ギャンブラーの如く、心の中で悪態を吐きつつも、俺は流れに逆らわないよう、話に付き合っておく事にした。
「そんなにそっくりなのですか?」
「本当にそっくりよ。思い出すだけで、頭に来るわッ。アイツがいなければ、私達はこんな事しなくて良かったんだからッ! ああもう、何か腹が立ってきたわッ!」
「そうなのですか。ところで、そのコータローとかいう奴と、一体何があったのですか?」
「私達はね、ガルテナでヴァナド……い、いや、なんでもないわ。とにかくよッ、貴方達はこの石版をとっとと向こうの大空洞まで運びなさい。いいわねッ」
そしてリュシアは、颯爽とこの場から立ち去ったのである。
辺りに暫しシーンとした静寂が訪れる。
ラッセルさん達やラティは、今も尚、俺にジッと視線を向け続けていた。
程なくして、ラティが俺の耳元で囁いてきた。
「な、なぁ、コータロー……あのリュシアっちゅうエンドゥラスと、前になんかあったんか?」
「ああ、ちょっとな……。さて、それじゃあ皆、面倒だけど、とりあえずコレを運ぶとしますか」
というわけで、とりあえず俺達は、リュシアに言われた仕事をこなす事にしたのである。
[W]
石版を運んだ後も、俺達はヴァイロンとリュシアから細々とした指示を受け、暫しの間、それらの雑務をこなしていった。
だが、その途中、思いがけない大ピンチもあったのだ。
それは何かというと、杖の効果が切れかかって正体がバレそうになったという事である。
しかし、周囲に魔物が居ない時になったので、俺達はその場で変化の杖を行使して危機を回避し、何とか事なきを得たのである。
今回、長時間使用してわかった事だが、杖の力で変化していられるのは、精々3時間程度のようだ。
ゲームでフィールド移動してる時も、そんなには持たなかったので、同じような持続効果と考えてよさそうである。
まぁそれはさておき、俺達はそんな危機を乗り越えつつ、雑務をこなしていくわけだが、それを1時間程続けたところで周囲に変化が訪れたのであった。
それは、俺達が大空洞で少し休憩していた時に起きた。
俺と良く似たタイプの魔物が、突然、奥のお立ち台にフッと現れたのである。
その魔物は白い仮面を被っており、頭部には2本の角が生えていた。
今の俺と同じように、蝙蝠のシルエットが入った白いローブを着ており、その上から赤いマントを纏うという出で立ちであった。
この見た目からすると地獄の使いだと思うが、その魔物は現れるや否や、大きな声を発したのである。
【皆の者ッ! 静ま
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