Lv42 グァル・カーマの法
[7/13]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
…。オッサンはこの事知っているんだろうか……。とりあえず、後で確認しておこう。それよりも今は、この邪法についてもう少し知る必要がある……)
リュシアは続ける。
「それだけじゃないわよ。魔の瘴気を取り込んで、融合させた魔の魂を目覚めさせれば、濃い魔の瘴気が周囲に無くても、長時間、その強大な力を振るえるようになるそうよ。そうなったらもう、魔の世界最下層であるラム・エギドの魔物並みの力を発揮できるから、この地に住む奴等では、まず歯が立たないでしょうね」
ラムエギド?
話の感じからすると、多分、魔の世界最下層の名前だと思うが、今は置いておこう。
「そうなのですか。でも、今、長時間と仰られましたが、そんな事が可能なのですか? 用意できる魔の瘴気は限られていると思うのですが」
「アハハ、貴方勘違いしてるわよ。濃い魔の瘴気は、あくまでも魔物の魂を目覚めさせるキッカケに過ぎないわ。魔物としての力を維持するのは、その本体が持つ力らしいわよ。だから魔の瘴気が無くても力を振るい続けられるのよ。まぁそうはいっても、魔物と化している時は、体力が結構消耗するらしいから、無限に利用できるわけじゃないみたいだけどね」
「なるほど」
この話が本当ならば、ザルマは恐らく、このグァル・カーマの法というのを行ったに違いない。
人の身体を維持したまま魔物になれる邪法という事だ。
そして問題は……このイシュマリアにも、その邪法を施された者が2名いるという事だろう。
これはかなりヤバイ情報である。
(つまり……成功すれば、この世界の人々と同様に、リュビストの結界内を自由に行き来できる魔物の完成というわけか。まるで、トロイの木馬だな……ン?)
と、その時である。
なぜか知らないが、リュシアが首を傾げ、俺をジッと見ていたのだ。
もしかすると、しつこく訊いたので、変に思ったのかもしれない。
(調子に乗って、話を引き出し過ぎたか……とりあえず、平静を装おう)
つーわけで、俺はリュシアに自然な感じで訊ねた。
「どうかしましたか? 私の顔に何かついてますでしょうか?」
「……貴方、以前、私とどこかで会った事ない?」
「いや、初対面ですが……」
「そうよね。でも、なぜかしら……貴方と話していると、以前、どこかで会ったことあるような気がするのよね。しかも、ごく最近……って、アアッ!?」
するとリュシアはそこで大きな声を上げ、捲し立てるように話し始めたのである。
「お、思い出したわッ! 貴方の声、ガルテナで会った、コータローとかいうアマツの民とそっくりなのよ。ああ、もう、嫌な事を思い出しちゃったじゃないッ!」
(心臓に悪いぜ。バ、バレたのかと思ったよ……ン? イッ!?)
だが、ホッとしたのも束の間であった。
なんと、今のリュシアの言葉を聞き、
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ