Lv42 グァル・カーマの法
[12/13]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
シ……】
するとその直後、水晶球はフワフワと宙に浮き、冒険者達のところへと移動を始めたのである。
水晶球は、冒険者の胸元で漂う白い球体と接触する。
と、次の瞬間、白い球体は水晶球に吸収されたのであった。
水晶球は次第に、白と深紫のマーブル模様へと変化していった。
ジェバはそこで呪文の詠唱をやめた。
【魂の融合は完了した。ではこれより、魂を器に戻す。補助詠唱を担う者は、魔法陣の周囲にて詠唱を始めよ】
その言葉に従い、十数体のシャーマン達は魔法陣の周囲で、奇妙な踊りをしながら呪文を唱え始めた。
ジェバもそれに続いて呪文の詠唱を再開する。
と、その直後、水晶球からマーブル模様の球体が外に出てきたのである。
その球体は静かに、冒険者達の中へと入っていった。
ジェバ達の呪文詠唱は、今も尚、続いている。
(融合した魂を戻すと言ってたけど、成功した場合はともかく、失敗したら一体何が起きるんだ……ン?)
と、その時であった。
冒険者の身体に異変が現れたのである。
なんと、2人の冒険者の身体が、突如、小刻みに振るえ始めたのだ。
振るえは次第に大きくなる。
そして、次の瞬間!
―― ドッバッーン! ――
冒険者達の身体は爆発したかのように、突然、破裂したのであった。
瞬く間に、魔法陣の周囲は、真っ赤な血と肉片が飛び散る凄惨な様相となっていく。
台の上に目を向けると、骨だけとなった哀れな冒険者達が、静かに横たわっていた。
俺はこの惨状を目の当たりにし、彼等に深く懺悔した。
(……すまない。無力な俺達を許してくれ……)
ラッセルさん達も衝撃的だったのか、身動きせず、彼等の亡骸をジッと見詰めていた。
ジェバの悔しそうな声が聞こえてくる。
【クッ……失敗か……】
ヴィゴールの低い声が空洞内に響き渡った。
【ムゥ……どうやら、失敗のようだな。やはり、意思を持った魂でないと難しいか。ジェバよ、お主の見解を述べよ】
【魂の融合までは上手く行きましたが、今回も器が拒絶したようです。ですが、1つ分かった事がございます】
【ほう、して、それは何じゃ?】
【融合した魂の波長と器の波長が完全に合わないと、器は拒絶するという事です。今回、限りなく近い波長を持った魂を選んで融合したのですが、結果はこの通りでした。よって、完全に波長を合わせる方法か、もしくは、それを補う方法を確立させないと成功は難しいようです】
【フム。つまり、我等のように、己の意思で操れる状態の分けた魂を用意できねば、現状、成功は厳しいという事か】
【そう思われます】
【なるほどな。しかし、他にも何か方法があるやもしれぬ。ジェバよ、これからも引き続き、儀式を続けるのだ。その為の材料は我が用意させる故な】
【
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ