Lv42 グァル・カーマの法
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「悔しいかもしれませんが、堪えてください。今此処で、俺達の正体がバレたらエライことになります」
「で、でも」
「お願いです。周りにいる魔物は、とてもではないが、俺達では対処できません。ハッキリ言って強すぎます。今は抑えてください。この状況で彼等を救うのは……不可能です。今、貴方が動けば、俺達は全滅です。兄であるラッセルさんや仲間であるマチルダさんにシーマさんを救うと思って……今は堪えてください」
「クッ……わかったわよ……」
渋々といった感じではあったが、リタさんは力を弱め、柄から手を離した。
俺はホッと息を吐く。
と、そこで、周囲にいるギャラリーから驚きの声が上がったのである。
【オオオ!?】
俺は魔法陣に目を向けた。
するとなんと、紫色に発色する魔法陣の中で、黒い霧に包まれる冒険者達の姿が視界に入ってきたのである。
(チッ、しまった。リタさんを説得してるうちに儀式が始まっていたのか。……仕方ない、ラティに訊いてみるか)
俺はラティに小声で訊ねた。
「ラティ、一体何があったんだ?」
「ワイもわけが分からんのや。あの2人に、ジェバっちゅう奴が妙な液体掛けた後、呪文みたいなのを幾つか唱えたら、あないな感じになったんや。ただそれだけやで」
「そうか……」
見逃した部分については、そこから想像するしかない。
とりあえず、今はリタさんを監視しつつ、この成り行きを静かに見守ろう。
冒険者達を包み込む黒い霧は、中々晴れなかった。
20分くらい経過しても一向に晴れる気配はない。
その間、ジェバは魔法陣の外から黒い液体を魔法陣に振り撒きながら、聞いた事がない呪文を唱え続けていた。
だが、儀式が始まりだしてから30分程経過した頃、黒い霧は徐々に霧散し始めたのである。
それに伴い、冒険者達の姿も徐々に見えるようになってきた。
冒険者達は少しグッタリとした様子だったが、大きな変化はなかった。が、しかし、1つだけ奇妙な現象が起きていたのである。
それは何かというと、サッカーボール大の淡く発光する白い球体が、彼等の胸の辺りに漂っていたからだ。
(なんだ、あの白い球体は……)
それから程なくして、冒険者達を覆っていた黒い霧は、完全に消え去った。
ジェバの声が響き渡る。
【器の前処理と魂の抽出は終わった。ではこれより、融合に入る。マントゴーアとヒドラの魂を用意せよ!】
指示を受けた2体のシャーマンは、不気味な模様が彫られた少し大きめの壺を2つ、ジェバの所へと持ってきた。
続いてジェバは壺の封を解き、中から深紫色の淡い光を発した水晶球のようなモノを取り出したのである。
ジェバはそれら2つの水晶球を上に掲げ、また妙な呪文を唱えだした。
【カーツ・コンレー・カーツ・イー
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