Lv41 ゼーレ洞窟へ
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時間は少し遡る。
これは、コータローがヴィザーク地区へと移動を始めてから、暫く後の話である――
その頃、ウォーレンは屋敷の応接室のソファーに腰かけ、1人で考え事をしている最中であった。
(……コータローとミロンの言っている事が本当ならば、門は既に開かれている可能性が高いが、その門を開いたのは一体誰だ? 魔物か? それとも猊下の一団か? ……わからん。だが、何れにせよ、あの島はかなりの厳戒態勢を敷いているから、そう簡単に魔物はおろか、我等ですらおいそれと入る事は出来ない筈だ。一体どうやってあの遺跡に侵入したのだ……。魔導騎士や神官達に見つからず、遺跡の中に入る事などできるのだろうか? しかし、守衛の魔導騎士達の様子を見る限り、侵入者はいないような雰囲気だった。となると、門を開いたのは猊下達の一団か……う〜ん、わからん……頭痛くなってくるな……。とりあえず、この件については判断材料が少ない。今は置いておくとしよう。まぁそれはともかくだ。コータローは一体何者だ……洞察力や思考力も凄いが、あれだけの腕を持つ魔法の使い手なら、このイシュマリアで少しは噂になってもよさそうだが……アイツの名前は聞いたこともない。しかも、話を聞く限りじゃ、有力貴族にも仕えていないみたいだ。まぁアマツの民みたいな外見だからかもしれないが、この国にもアマツクニ出身の魔導師やラミリアンの魔導師も極少数だがいる。だが、アイツは冒険者だと言っていた。本当なのだろうか……。出身はマール地方といっていたが……まぁいい……今から来る者達に訊いてみるのが早いか)
と、その時、扉の向こうから女性の声が聞こえてきたのであった。
【ウォーレン様、アーシャ様達をお連れ致しました】
「うむ、お通ししてくれ」
扉はゆっくりと開かれる。
使用人に促され、5名の者達が部屋の中へと入ってきた。入ってきたのは、アーシャとサナ、それとレイスにシェーラ、最後にラティであった。
4人と1匹が部屋の中に入ったところで、使用人は扉を静かに閉める。
そこでウォーレンは立ち上がり、恭しい所作で手振りを交え、彼女達を迎えた。
「お休みのところを御呼び立てして申し訳ありません。ですが、早急にお伝えせねばならぬ事が出来たものですからな、ご容赦願いたい。さ、まずは、こちらにお掛けになって下さい」
「わかりましたわ」
「はい、では」
全員がソファーに腰を下ろしたところで、ウォーレンもソファーに腰掛ける。
そしてウォーレンは話を切り出した。
「さて、では、皆さんをお呼びした理由ですが……実はですね、先程、アレサンドラ家とラミナス公使から私宛に書簡が届いたのですよ。それで皆さんを御呼びしたのであります」
ウォーレンはそう言って、テーブルの上に封筒を2つ置いた。
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