Lv41 ゼーレ洞窟へ
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は歩きになるさかい、馬車移動は丘の麓までやで」
と、ここで、マチルダさんが話に入ってきた。
「え? 歩きなの?」
「せやで。実はな、その丘の裏側がゼーレ洞窟のある付近なんや。ほんでな、そこへと抜けれる1本道の洞窟が、その丘にあるんやわ。1人づつしか行けへんから、少し狭い洞窟やけどな。でも王都から陸路で進むんなら、そこが一番の近道やと思うで」
「そうなの、初耳だわ。まぁこんな所に来たのも初めてだけど」
マチルダさんはそう言って周囲を見回した。
「まぁそうやろな。洞窟の入り口が分かりにくいから、冒険者でもこの抜け道知ってる奴は少ないと思うで。まぁワイも、ドラキー便仲間に静かな昼寝場所として教えてもらった洞窟やしな」
「へぇ、って事は、この辺りもドラキー便て来るのか?」
「時々やけどな。辺鄙な場所に暮らしてる方が、ほんのちょっぴりやけどいるんやわ。そういう方々の所にもワイ等は配達に行く事があるんや」
「なるほどねぇ」
よくよく考えてみたら、ヴァロムさんの所にも来てたから、それが普通なのだろう。
まぁそれはさておき、俺はラッセルさんに今の話を告げる事にした。
「ラッセルさん、馬車移動は、この道の終点となっている丘の麓までだそうですよ。そこからは歩きのようです」
「え? そうなのですか? じゃあ……馬車はどうしよう」
「ですよね」
それが問題である。
「ああ、言い忘れたけど、その丘には抜け道以外にも、幾つか浅い洞穴があるさかい、そこに馬車を隠しといたらええわ。近くに川がある洞穴もあるしな。そういう所なら馬の飲み水には困らんやろ。とはいっても、餌はないけどな」
「そんな場所があるのか。ならそこに隠すとするか。餌については、今日の分は用意してきているから大丈夫だ」と、ラッセルさん。
「なら、決まりや。そこにしとき」――
とまぁ、こんなやり取りをしつつ、馬車は進み続けるのであった。
[X]
丘の麓に着いた俺達は、ラティの言っていた洞窟に馬車を隠した後、ゼーレ洞窟に向かい移動を開始した。
そして、ラティを先頭に、抜け道である丘の洞窟へと、俺達は足を踏み入れたのである。
洞窟の入り口は、木の根と岩に覆い隠されるような感じだったので、パッと見、そこに洞窟があるというのがわかりにくい所であった。これなら確かに、知っている者も少ないだろう。
で、洞窟の中だが、流石に光が届かないので真っ暗だ。
というわけで、ここからは俺のレミーラを頼りに進むことになるのである。
レミーラによって露わになった洞窟内部は、ラティの言うとおり、確かに狭かった。幅は1m程で、人間が1人通れる程度のモノだ。
だが、それほど内部には起伏がない上に、天井も約5mと高いので、思ったよりも楽に進める洞窟であった。と
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