Lv41 ゼーレ洞窟へ
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に? ……わかったわ。じゃあ、皆、行くわよ」と、マチルダさん。
その言葉を合図に、俺達は岩の裏へと移動を始めたのである。
岩の裏に来たところで、俺は周囲を見回し、魔物と人の姿がないかを確認した。
辺りは苔の生えた大きな岩がゴロゴロしているところだが、基本的に見通しの良い草原なので、そういった確認はしやすかった。
(……今のところ、人影や魔物の姿はないな。多分、大丈夫だろう。さて、それじゃあ始めるか……)
俺は用意しておいた細長いブツを手に取り、それに巻かれた布を解いた。
布の下から、紫色の水晶球と水色の水晶球が付いた杖が姿を現す。
ちなみにこれは、ザルマ達の遺品である変化の杖だ。
シーマさんが訊いてくる。
「それは……杖?」
「ええ、杖です。ですが、これは戦いに用いるモノではないですよ。変装用の杖なんです」
「へ、変装用?」
「コータローさん、どういう事ですか? わけが分からないのですが……」
ラッセルさん達は全員がポカンとしていた。
「言葉通りの意味ですよ。さて、では始めますか」
俺はそう言うと、まずは変化解除用である水色の水晶に魔力を籠めたのである。
その瞬間、水晶から水色の霧が発生し、俺達を包み込んでいった。
皆の驚く声が聞こえてくる。
「これは煙!?」
「わっ、何よこれ!?」
「なんやねん、この変な煙は!」
程なくして霧は晴れてゆく。
その結果、全員、変化無しであった。
(念の為の処置だけど、ラッセルさん達のパーティ内に、魔物はいないとみてよさそうだ。まぁ化けてたら、ラーのオッサンがどこかで忠告してくるだろうけど……)
「あの、コータローさん……妙な霧が発生したけど、何も変化が無いわよ」と、マチルダさん。
俺はとりえず誤魔化しておいた。
「あらら、すいません、間違えました。変装は逆の水晶でした。さて、では論より証拠です。もう一度、いきますよ」
俺は仕切り直しとばかりに、紫色の水晶球に魔力を籠め、紫の霧を発生させる。
すると、今度は霧が晴れると共に、皆の悲鳴じみた声が聞こえてきたのである。
「なッ!? ま、魔物になってる!? な、なんでよッ!」
「どういう事よ、何で魔物にッ!?」
「嘘ッ!?」
「コータローさん、その杖は一体……」
ラッセルさん達は初体験だから驚くのも無理はない。
一応、皆の姿を言うと、ラッセルさんとリタさんが鎧の魔物である【地獄の鎧】で、シーマさんとマチルダさんが出来の悪いマリオネットを思わせる【泥人形】、ラティが緑色のドラキーである【タホドラキー】、そして俺はドラクエ2に出てきた魔法使い系モンスターである【妖術師】といった具合だ。中々ゲームでもお目にかかれないレアな魔物パーティである。とはいえ、ラティは色以外変化なしなのが、よ
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