Lv41 ゼーレ洞窟へ
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でください、アーシャ様。本人から直接訊けば良い話ですからな。さて、それはともかく、私の話は以上になります。明日、使者が訪れましたら、また御呼びする事になりますので、その時はよろしくお願いしますよ」
「はい、ウォーレン様」
「こちらこそ、よろしくお願い致しますわ」――
[U]
翌日、朝食を終えた俺は、ウォーレンさんとアーシャさんに適当な理由を告げ、ラッセルさん達との待ち合わせ場所へと向かった。
ウォーレンさんには、ゼーレ洞窟の件について返事をしてくるとだけ言っておいた。
するとウォーレンさんは、「どういう決断を下したのか知らんが、あまり無理はするなよ」と言って、気楽に俺を送り出してくれたのである。
魔の神殿に向かう途中、この話をしたので事情を察してくれたようだ。
それからウォーレンさんは、「ああ、それから、今日も事情があってミロンはつけてやれそうにない。どうする、案内人をつけるか?」と訊いてきた。
だが、昨日出歩いたことで街の移動にも慣れたので、俺は、「いえ、街の構造も大体わかってきましたから1人でも大丈夫ですよ」とだけ答え、屋敷を後にしたのである。
話は変わるが、アーシャさんには昨日と同じ理由を話して、一応、納得はしてもらった。少し嘘を吐くことにはなるが、まぁこの際、やむを得んだろう。
とまぁそんなわけで、俺は今日も辻馬車を使い、ラヴァナへと下ることになるわけだが……今日はお供が1匹いるのである。ラティである。
今日はどうしてもラティに来てもらう必要があったので、昨晩お願いをしたのだ。
で、来てもらった理由だが……実はラティ、ドラキー便の配達エリアということもあって、この辺りの地理には精通しているらしく、ゼーレ洞窟の辺りもよく知っているらしいのだ。
しかも、普通の旅人が通らないような裏道も知っていると言ってたので、とどのつまり、ナビゲーターとして来てもらったのである。
つーわけで話を戻そう。
辻馬車に揺られながら、朝日が降り注ぐラヴァナの街並みを、俺はぼんやりと眺める。
城塞に遮られ、影となる部分が多い所為か、モノクロ写真とカラー写真を合成したかのような、なんとも言えない街並みが目に飛び込んできた。
それは正に、城塞都市ならではといった、明暗の別れる光景であった。
(城塞のお陰で強固な守りが得られるけど、考えてみれば、日当たりが悪くなるんだよな。日本に住んでた時も思ってたが、安全と快適さはなかなか両立しないのかも。まぁしゃあないか……)
などと考えていた、その時である。
【グォォォン……グォォォン】
イシュラナ大神殿の方角から、神官達の礼拝を告げる、重厚なイシュラナの鐘が鳴り響いてきたのであった。
どうやら、もう集合時間になってしまったよう
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