Lv41 ゼーレ洞窟へ
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いるという事は……辺りには、相当濃い魔の瘴気が漂っているに違いない。こりゃただ事じゃないぞ……)
俺はラッセルさん達に忠告しておいた。
「……皆に言っておきます。俺達は洞窟の実態調査に来たんです。ですから、奴等とは決して戦ってはいけませんよ。ハッキリ言いましょう。俺達の戦力では、かなり厳しい魔物ばかりです。戦えば全滅が待っていると思ってください」
「え? コータローさん、アイツらを知ってるの?」とシーマさん。
俺は頷くと、少し嘘も混ぜて話しておいた。
「ええ、知ってますよ。あれは、ラミナスが滅ぼされた時に襲来した魔物ですから、熟練の冒険者でも奴らを倒すのは至難の技だと思います。ですから、間違っても戦おうなどと思わないでください」
ラミナスを滅ぼされた時にアイツ等がいたという確証はないが、ザルマが引き連れていた魔物よりも強い魔物ばかりなので、当たらずとも遠からずな筈である。
「ラ、ラミナスを滅ぼした魔物……ゴクリ……」
皆の生唾を飲み込む音が聞こえてくる。
どうやら、俺達が今置かれている状況を理解したのだろう。
「そういうわけなので、進む前に約束してもらいたいのです。コチラから奴等に戦いを仕掛けるような真似は絶対にしないと。いいですね?」
「わかりました、コータローさん。貴方の指示に従います」
「わ、私も従うわ」
「私も」
「ワイも」
ラッセルさんとマチルダさん、それからシーマさんとラティが答える。
だが、リタさんは何も言わなかったので、俺は今一度言っておく事にしたのである。
「リタさん、返事は? 貴方が俺の事を嫌うのは自由だが、これだけは約束してほしいんです。でないと、ここから先は進むわけにはいきません。1人の過ちがパーティ全員の命取りになるのですから」
するとリタさんは渋々返事してくれた。
「……わかったわよ。言うとおりにするわ」
「お願いしますよ。俺もこんな所で死ぬのは御免ですからね」
ラッセルさんが念を押した。
「頼むぞ、リタ。無茶はするなよ」
「だから、分かったって言ったでしょ」
リタさんが少し不安だが、とりあえず、ここは信じる事にしよう。
「では、あと少しだけ休んでから出発するとしましょう」
そして、俺達は暫しの休憩の後、凶悪な魔物が徘徊する区域へと、移動を再開したのであった。
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