Lv41 ゼーレ洞窟へ
[12/13]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
通りな」
そういうや否や、ベレス2体は俺達に道を開けてくれたのだ。
少しドキドキしたが、何とか事なきを得たようだ。
というわけで、俺もできるだけ、自然に振る舞っておく事にした。
「ご苦労さん。じゃあ、通らせてもらうよ」
「おう」
俺達はベレスの横を通り、悠々とした足取りで洞窟を出る。
その直後、太陽に照らされて光り輝く広大な緑の湿原が、俺達の目の前に姿を現したのであった。
結構、ストレスのかかる行軍だったので、この光景を見て、俺は凄くありがたい気分になった。が、しかし……ベレスが門番の如くあそこに張り付いてるという事は、裏を返せば、ここは既に強力な魔物の勢力圏内という事を意味しているも同然であった。
しかも、ここからは更に危険地帯に足を踏み入れる事になる為、俺達は今まで以上に警戒しながら進まねばならないのである。
だがそうはいうものの、その前に少し休憩を挟みたいのは正直なところであった。
その為、洞窟を出た俺達は、とりあえずは進み続け、静かで見通しの良い大きな沼の畔に来たところで、一息入れる事にしたのである。
俺はその辺の岩に腰かけ、肩の力を抜いた。
と、そこで、マチルダさんがボソリと呟いた。
「はぁ……心臓に悪いわね。でも、ここは見覚えのある景色だわ。ゼーレ洞窟のすぐ近くよ」
「へぇ、そうなんですか。で、ゼーレ洞窟はどの辺りなんですか?」
するとラッセルさんが、とある方向を指さして教えてくれた。
「あそこですよ。この大きな沼地の向こう側にある、盛り上がった丘の斜面です」
ラッセルさんの指先を追うと、確かに丘があった。が、しかし……その辺りは、ヤバイ魔物が沢山徘徊している所でもあったのだ。
(ゲ……あの魔物達は……こいつはかなりデンジャラスだぞ……マジかよ)
俺はもう一度確認してみた。
「……魔物が沢山徘徊している、あの辺りって事ですか?」
「ええ、そうです。しかし、あの魔物の数を見るに、これは思った以上に不味い事になってそうですね。しかも、見た事ない魔物ばかりだ……」
「……」
俺にとっては数も然る事ながら、徘徊している魔物の方が問題といえた。
なぜならば、ゲームだと後半に入りかけた頃に現れるモンスターばかりだったからだ。
褐色の巨体を揺らしながら歩く巨人・トロル。
トロルよりも大きな、青い肌の一つ目巨人・サイクロプス。
白い毛に覆われた猿顔の悪魔・シルバーデビル。
6本の腕に剣を持った茶色の骸骨剣士・地獄の騎士。
そういった厄介な魔物の姿が、俺の目に飛び込んできたのだ。
(う〜ん……流石に、このレベルの魔物と戦うのは厳しいな。戦闘になったら、まず勝てない。はぁ……やだなぁ、もう……何でこんな所に来たんだろう、馬鹿だな、俺……。でも、ここにコイツ等が
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ